ミュスカ(MUSCAT)はマスカットとも呼ばれており、多くの変種があるブドウ品種です。
白ブドウだけでなく黒ブドウもあり、ミュスカ系のグループの総称はミュスカ ファミリーとも呼ばれています。
単にミュスカという場合は、ミュスカ ブラン ア プティ グランを指すことが多いです。
ミュスカの起源は地中海沿岸にあるとされており、日照時間がしっかりと確保され、乾燥している土地を好みます。
比較的早熟で、病気にかかりやすく栽培が難しい品種です。
一般的に、ミュスカファミリーとされるもので代表的な品種は以下のとおりです。
・ミュスカ ブラン ア プティ グレン(MUSCAT BLAN A PETIT GRAIN)
・ミュスカ ダレクサンドリ(MUSCAT(D’ALEXANDRIE)
・ミュスカ オットネル(MUSCAT OTTNEL)
・ミュスカ ハンブルグ(MUSCAT D’HUMBOURG)
また、ロワールのミュスカデやボルドーのミュスカデルとよく混同されますが、これは全く品種が違います。
ミュスカ
品種の特徴
あまり酸味が豊富ではないため長期熟成には向かず、フレッシュで早く飲まれるスタイルが多く生産されています。
軽い辛口~酒精強化ワインによる甘口まで多様なワインが生産されています。
ミュスカから作られたワインは、ブドウが本来持っている香りや味わいがそのまま反映されています。
外観は明るい色合いを持ち、かすかに緑がかっているものもあります。香りはマスカットやメロン、華やかで強い香りが特徴的で、少し野性的なニュアンスも持ちます。
味わいはフレッシュでジューシー、心地よい酸味が感じられます。
ミュスカ自身が魅力的な香りを持つため、貴腐菌の香りは歓迎されず、貴腐ワインではあまり用いられません。
主な生産地域
ミュスカは生食用としても栽培されており、世界中で広く栽培されています。
様々な変種があり、多様なワインが作られていますが、その中でも主な生産地域としてはフランスとイタリアが挙げられます。
フランスでは南フランスとアルザス地方で主に栽培されています。
南フランスではVDN(ヴァン ドゥ ナチュレル)という酒精強化ワインの原料となることが多く、ミュスカ デュ カップ コルスとしてコルシカ島でも生産されています。
アルザス地方では主にフレッシュな辛口タイプとして生産されています。
イタリアでは主にピエモンテ州で栽培されています。
ピエモンテ州のDOCGであるアスティは、モスカート(ミュスカ)を使用しており、甘口の微発泡ワインが生産されています。
甘口で親しみやすいため、日本でも若い世代を中心に人気があります。