シャトー ネナンは、ボルドーのポムロール地区に位置するシャトーです。
セカンド ワインはフューグ ド ネナンです。
後述しますがポムロールは10ヘクタールほどの小シャトーが多い中、ここは大ぶりな栽培面積です。
ポムロールの名シャトーはほとんどが小規模シャトーなので、「ポムロールの大シャトーにはいいワインがない」というのがもっぱらの評判だったのです。
実際にこことド・サルの二つは畑は大きいのですがパッとしない品質で知られていたのです。
ところがそうは問屋が卸さないといわんばかりに急激に評価を上げ、現在は上質で、かつコストパフォーマンスの良いワインとして知られています。
そのためポムロールのワインをこれから飲もうという方は、このシャトーから始めているのがいいでしょう。
シャトーネナン
急激に品質を向上させたシャトー
所有している畑は32haで、シャトー ド サルの47haにつぎ、ポムロールでは最大規模のシャトーです。
以前シャトー セルタン ジローの畑を半分購入し、統合したため大きな規模になっています。
畑はポムロールの丘の南西部に位置しており、広大な畑であるため、複雑な土壌が畑を形成しています。
栽培面積はメルロ78%、カベルネ フラン22%です。
1997年にデュロン家の所有となり、様々な改革が行われます。
選定方法の見直し、土地の灌漑、ブドウ樹の植え替えや、セラーの空調設備など醸造設備の近代化を行いました。
ブドウ樹は高密度に栽培され(こうすることでブドウ樹に競争が生まれ、結果いいワインになる)、平均樹齢は比較的高めで、樹齢50年のものを含み、平均30年です。
発酵は温度管理ができるステンレスタンクで行い、新樽比率は30%で18カ月の熟成を行います。そして清澄を行い、ろ過はせずに瓶詰めされています。
ワイナリーの歴史
ポムロールでは古い歴史を持つシャトーです。
1847年からパイエ家が所有していました。その後、パイエ家の娘がデブジョル家に嫁ぎ、婚資として畑の所有権もデブジョル家に移ります。
デブジョル家で所有していましたが、1975年エマニエル デブジョル氏が、息子のフランソワ デブジョル氏に遺贈します。
しかし所有権をめぐり家族内で争ってしまい、1997年にデブジョル家の従弟であったジャン ユベール デュロン氏に売却されました。
デュロン家は、サンジュリアンのスーパー セカンドとして名高い、レオヴィル ラスカーズも経営しています。
デュロン家はミシェル ロラン氏をコンサルタントに採用し、様々な改革を行い、その改革が奏功し、品質が急速に向上するのです。
1980年代まで品質的に厳しい時期が続きましたが、デュロン家に所有者が変わってからは評価が変わりました。
1997年ヴィンテージから大幅に品質が向上したと言われています。