シャトー オリヴィエは、グラーヴの格付けで赤ワイン、白ワイン両方格付けされているシャトーです。
セカンド ワインは、ドーファン ドリヴィエです。
所有している畑は55haです。
赤ワイン用は45haあり、栽培面積はメルロ50%、カベルネ ソーヴィニヨン40%、カベルネ フラン10%です。
白ワイン用は10haで、ソーヴィニヨンブラン75%、セミヨン23%、ミュスカデル2%です。
このシャトーは他のシャトーと比べても多くの所有者の変更があり、そのためなかなかワインの方向性の定まらない運命をたどります。
1982年以降、醸造責任者が直接シャトーに住み込み、シャトー元詰めをするようになってからようやく上向いた経緯があります。
シャトーオリヴィエ
中世風のたたずまいのシャトー
収穫はすべて手摘みで行い、醸造所で厳しく選果を行います。
白ワインはスキンコンタクトを軽く行い、33%の新樽率で樽発酵を行います。熟成はシュールリーで澱と共に12カ月行います。
赤ワインは、ステンレスタンクで発酵を行い、新樽率33%で約12カ月熟成させています。ろ過は行っていません。
1998年以降は濃縮装置(OSMOSS INVERS)を導入して、より骨格のあるワイン造るようになっています。これからも動向が注目されているシャトーです。
以前は赤白共に深みにかけ、余韻も短くあっさりした印象でした。
最近のヴィンテージはずいぶん評価をあげましたが、それでもまだグラーブを代表する格付けワインとまではなっていません。
ワイナリーの歴史
とても歴史が長いシャトーで、12世紀まで起源は遡ることができます。
その時期邸宅にオリヴィエ卿が住んでいたことから、シャトー オリヴィエになったと言われています。
19世紀に入り、1867年にドイツ系のベルトマン家の所有となりました。
しかしシャトー オリヴィエは、長い間ネゴシアンのエシュナエル社が経営を行い、ワインの販売を独占していました。
この時期はあまりワインの評価は高くなく、改良もされていませんでした。
そして1981年にベルトマン家が経営権を取り戻し、ジャン ジャック ベルトマン氏が2012年まで管理します。
ジャン ジャック ベルトマン氏はワインの品質を向上させたと言われている人物です。
2012年以降は息子のアレクサンダー ベルトマン氏が後を継いでいます。
周囲が森や草原などの自然に囲まれており、イギリスとフランスの戦いで名をはせていたエドワード黒太子が狩猟に訪れていたというエピソードがあります。
(エドワード黒太子はブラックプリンスと呼ばれ、百年戦争でポワティエとクレシ―でフランスを大敗させます)
以前は期待外れと言われていたシャトーですが、1980年代から品質が向上が目覚ましいという評価を得ています。