ワイン用語集セパージュ

ピノノワールとは?特徴と産地、味わい

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ピノノワール(PINOT NOIR)は、カベルネソーヴィニヨンとともに世界的に成功したフランス原産の黒ブドウです。

フランスではブルゴーニュを中心にロワール川中流域やシャンパーニュアルザスでも栽培されていて、そのほとんどはピノノワール単一でワインとなります。

起源については諸説ありますが、ブルゴーニュにもともとあった品種であろうというのが専門家の多数意見です。

カベルネソーヴィニヨンとよく比較されますが、カベルネソーヴィニヨンは栽培とそのワインづくりはほかの地方でも比較的容易であるのに対してピノノワールはそうはいきません。

ブドウの栽培はできてもワインになると凡庸なものとなることが多いのです。

 

ピノノワールには多くのクローン(非受精型繁殖法による分岐種)があり、少なくとも46種以上のクローンが存在します。

台木はRIPARIA,RUPESTRIS,BERLANDIERIがあります。

 

ピノノワールのシノニムはリンク先をご覧ください。

 

ピノノワール

特徴

起源については諸説あるのですが、紀元4世紀にはピノノワールがブルゴーニュで栽培されていたという証拠があります。

もう少し検討すると、少なくとも2000年前には野生種から選択して栽培を始めていたという説もあります(初期のころはモリヨンMORILLONと呼んでいました)。

 

いづれにせよピノノワールは元来ブルゴーニュで栽培されていましたが、18世紀にはすでにそのポテンシャルの高さが確立されていました。

当時は栽培技術が今よりも進んでいませんので気候の影響を受けやすく、不作の年が続くと「収穫の安定したガメイを移植しよう」ということになります。

しかしそれではブルゴーニュらしさが失われるということで、法律でピノノワールを保護するという文献が残っているほど確固たる存在感がありました。

色調は濃くはありませんが繊細でかわいらしく、土壌の影響をそのまま伝える先鋭化された品種として知られます(ブルゴーニュの歴史を参照)。

これは、土壌や気象条件によっては最上のワインにもなるし、その逆もあり得るということです。

ここからはやや専門的になりますので興味のない方はここをクリックして読み飛ばしてください。

ピノノワールは他の黒ブドウ品種に比べて色素成分が少ないのがその特徴です。

色素成分の生成を促す分子プロキシニアジンを有さない唯一の黒ブドウで、これが色素成分の不足を決定的にさせるのです。

色調の不安定な2つの赤色色素と1つの黄色色素で構成されていて、シラーやカベルネソーヴィニヨンに比べると色は薄くて、かつ酸化しやすいのです。

さらに、皮の薄いことがピノノワールの特徴でもあって、そのため果実が破裂して成熟が不完全になる可能性もほかの品種に比べて大きくなります。

果皮が薄いということは、病害虫からすれば果肉に入り込みやすいということで、これが大変に厄介なのです。

アメリカではシャープシューター(昆虫)がピノノワールが大好物であり、これによってピアス病が媒介されることになります。

ピアス病はそのバクテリア感染によってぶどうが根から水分やそのほかの諸要素をくみ上げる管を分断してしまうのです。

 

土壌は石灰岩にほどよく窒素と粘土がまじるのが最良とされていて、これがブルゴーニュの特級畑の土壌に合致します。

ただし樹勢が強いため窒素成分が多すぎると今度は実が多くつきすぎてしまい、品質の低下をもたらすためキャノピーマネジメントが不可欠になります。

樹勢が強いということは剪定を強めにして(芽を極端に減らす)、そのうえで樹勢の弱い台木を使うということが手法としてとられています。

 

 

味わい

ソムリエ試験やコンクールでも頻出なのですが、特徴のわかりやすい品種ですので最低限品種は当てないといけません。

色合いは決して濃くはありません。シラーやカベルネソーヴィニヨンのような黒のニュアンスはありません。

ルビーからガーネットの色調で、透明度もしっかりと表現しましょう。

香りは複雑で、果実、スパイス、ミネラル、熟成によっては紅茶や腐葉土などの香りがバランスよく含まれています。

味わいの凝縮感によってワインのグレードを丁寧に探ることで大きく得点を伸ばすことが可能でしょう。

 

栽培地域

前述のようにフランスでは冷涼な地域を中心に栽培されています。

フランス以外ではほぼ世界全域で栽培されますが、特に評価の高いのはアメリカのナパやソノマやオレゴン、オーストラリア(特にマーガレットリバー)、ニュージーランドで存在感を示しています。

ただし前述のように、ワインとして成功している地域となると限られていて、アメリカであればロスカーネロス、オレゴンなどの冷涼なエリアでしか目立った成功はありません。

ドイツではシュペートブルグンダーと呼び、軽めでアルコールの低いワインで知られています。

気候は冷涼なエリアを好みますが、気候以上に土壌を選び、石灰質土壌を好む傾向にあります。

 

楽しみ方のコツ

ピノノワールは、価格の低いものは味わいはかわいらしく、イチゴやキイチゴの印象やほのかなスパイスの印象があります。

高級なものになるとミネラルの印象が強く、これが熟成することで皮や土のような印象になり、ワインに複雑性を与えます。

そのため、大体の分岐点としては2500円程度をめやすにして二つの楽しみ方を押さえるのがベストといえます。

一つ目は、価格もリーズナブルで軽めで飲みやすく、かわいらしい印象のピノノワールです。

この場合は温度は15度程度に冷やし、グラスも中部地のチューリップグラスでいいでしょう。

温度が上がりすぎるとかわいらしさが半減し、逆に若い印象が荒々しいものに感じられることもあります。

そのため大ぶりのグラスは温度管理が難しいので、中ぶりのものが合うのです。

 

二つ目は、価格も高価で複雑さや熟成感を楽しむタイプのピノノワールです。

この場合は温度は18度程度、グラスも大ぶりのブルゴーニュグラスがいいでしょう。

空気に十分触れさせて、広がる香りを楽しみましょう。

 

 

合わせる料理は、軽めのピノノワールですと一般的な前菜にはほぼ合わせることが可能です。

生ハムやソーセージなどの豚肉料理はもちろん、カナッペやチーズなどのおつまみにもちょうどいいでしょう。

また、日本の食卓には一つのテーブルに複数の料理が並ぶのが基本なので、そのためすべての料理に合わせることを検討すると軽めのピノノワールのほうがいいといえます。

逆に、高価なピノノワールは、ご家庭の料理というよりもレストランのシェフが腕によりをかけて作ったものがベストです。

わかめのヴィンテージであれば牛赤身肉をグリルし多様なシンプルなものがいいですし、熟成させたものはジビエや血液の複雑さを楽しむような料理が最高です。

例えばカモ肉をじっくりとローストし、血液とカモ肉のジュでソースを仕上げるような料理は最高のマリアージュでしょう。