ブルゴーニュでまだ一般的ではなかったドメーヌ元詰めを始めた先駆者として知られています。
また3代目のジャン マリー ポンソ氏が、クロ ド ラ ロッシュの畑から高品質なクローンを選抜し、そのクローンが現代のブルゴーニュの畑の大半で使用されています。
ブルゴーニュに植えてあるピノノワールの80%はポンソのブドウを起源に持つとされており、不動の地位を築いています。
ドメーヌ ポンソ
改革と自然への配慮
クローンの研究を追求している、となると、どうしても「超現代的な人的介入をするワイン造りでは?」と訝しく思われるかもしれません。
しかしポンソは栽培・醸造の改革と環境保全を両輪で理論展開をしていました。
早くから自然への配慮もしており、1977年からは化学薬品を使用せずにブドウを栽培しています。
ポンソの栽培の特徴として挙げられるのが、15hl/ha(15haですぜ!)というドメーヌ ド ラ ロマネコンティをも超える収量の低さです。また手済みで遅い時期にブドウを収穫し、しっかりとした成熟さと凝縮感を持たせます。
醸造段階では極力SO2を使用せずに、古樽を熟成に使用し、エキス分がたっぷりとしながらピュアな味わいが、ポンソの特徴とされています。
クロ サン ドニやシャルム シャンベルタンなど銘醸畑からワインを生産しておりますが、ブルゴーニュの大地主であるデ シェゾーから借りている畑も多くあります。
ポンソが造りながらドメーヌ デ シェゾーの名前で売られているワインも多くあるのです。
ワイナリーの歴史
1872年にモレ サン ドニにあったワイナリーを、ウィリアム ポンソ氏が購入しました。
ブルゴーニュの歴史をみると、これは必然だったのか、フィロキセラの渦中で二束三文になった畑をようやくワイン生産者が所有できるようになったその時です。
そして1932年にはドメーヌ元詰めを開始しています。
3代目のジャン マリー氏が名声を築き、1981年からは息子のローラン氏がドメーヌを運営しました。そのローラン氏は温度センサー付きのラベルの採用や、独自の合成コルクの使用など革新的な技術を多く取り入れています。
2017年にはローラン氏が妹のロゼ マリー女史にドメーヌを引き継ぎ、自身は息子とネゴシアンのローラン ポンソを立ち上げました。
2017年にイギリスのLiv-exが発表した「パワー100」では、ポンソはDRCに次ぐ2位とされ、まさにブルゴーニュ最高峰のワインとして認められています。