ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトーポンテカネとは?その特徴と歴史

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2008年から馬での耕作を導入している

シャトー ポンテカネ(CHATEAU PONTET CANET)はポイヤックに位置し、メドック5級に格付けされているシャトーです。

セカンド ワインはレ オー ド ポンテ カネです。

所有する畑は80haとおおぶりで、年間生産量は45000ケースも算出しています。

広範囲なうえにシャトー ムートンロートシルトの向かいという好立地な場所に畑があります。

1855年格付け時には評価は失墜したタイミングで、もともと立地はいいところなので代々の経営者の努力によって2級並みの評価を得るときもあるシャトーです。

 

栽培面積はカベルネ ソーヴィニヨン60%、メルロ33%、カベルネ フラン5%、プティ ヴェルド2%です。

もともとカベルネソーヴィニヨンの比率が高く、これが災いして「ポンテカネはとにかく堅い」というイメージがついていましたが、メルローの比率を高くして柔らかさが増しています。

土壌は粘度や石灰を含んだ砂利質で、平均樹齢は30年ほどです。

ポンテカネは、英語圏の人からするとどうも発音が安っぽいらしく、ラベルもいまいちパッとしないため損をしているかもしれません。

5級という格付けからも、日本のワインファンのなかでも軽く見られているかもしれませんが、それは大きな誤解です。

何といっても畑はムートンの隣という絶好のロケーションで、ワイン界の時代の寵児が代々所有してきた名シャトーなのです。

ワインアドヴォケイトでも強烈な高得点を連発し、100点を二年連続で出したのは1級シャトーでもラトゥールくらいでしょう(ラトゥールも同じ年に2年連続100点をだした)。

ワインのわかるご友人とじっくりと高級ワインをたのしみたい、そんなときにこそポンテカネを思い出してみてはいかがでしょうか。

 

シャトーポンテカネ

実力派の5級シャトー

2004年からビオディナミを実践しています。

2010年には、左岸のシャトーで初めてビオディナミの認証をとりました。馬による畑の耕作も行っています。

ブドウは手摘みで収穫、発酵は基本的にコンクリートと木製槽を併用しています。

また、2013年には新しいスタイルにも挑戦します。

30%をアンフォラ(アンフォラですぜ!)で発酵させ、新樽比率を下げ、樽の影響を極力抑えています。

その品質に対する姿勢から、注目を浴びているシャトーです。

 

ワイナリーの歴史

1725年に、法律家でありメドックの知事であったジャン フランソワ ポンテがシャトーを興しました。

そのポンテ家が19世紀にカネと呼ばれる区画を購入して、歴史が始まります。

この人は地元の実力者であったと同時に中央でも活躍し、ルイ15世の秘書を務めたのちに晩年には陸軍少将まで上り詰めました。

1821年、勢いあまって畑を買いすぎたため、広大になった畑の一部(サンジュリアン側)をヒューバルトンに売却します(これが後年のランゴアバルトンの一部になります)。

このころはポンテカネの名声は2級ワインと同じくらいにされていて、取引価格も1級に準じるものでした。

しかしその後にワインへの情熱が薄れたのか、徐々に没落し、ほったらかしになった畑からは並質のワインを生むシャトーとなってしまったのです。

そうこうするうちに1855年の格付けがされ、5級の格付けがされてしまうのです(もっとも、5級の中ではトップの評価だった)。

 

その後に何とか持ちこたえていたのですが、1860年代についにポンテ家が売りに出し、これをヘルマン クリューズ氏が購入します。

クリューズ家はボルドーきってのネゴシアンで、当時の一大ネゴシアン時代を代表する企業でした。

このクリューズ家の努力によって現在のポンテカネの名声は確立され、5級でありながらも2級レベルの取引価格と評価を得るのです。

 

ただし、前述のようにクリューズ社はネゴシアンだったのですが、これが1970年代に時代となじみが悪くなるのです。
 
当時はシャトームートンロートシルトの呼びかけでボルドーのシャトーはネゴシアン離れが起こり、シャトー元詰めが主流になりだした頃でした。
 
ところがシャトー元詰めに対して半信半疑のクリューズ社はこの波に乗り遅れ、よそのシャトーを横目にボルドー市の河岸にある同社の社屋内で瓶詰めを続けたのです。
 
(そのため、このころのポンテカネのラベルにはmis en bouteille au chateauの文字がない)
 
これが一時期評価を落とすきっかけとなり、結局はクリューズ家もポンテカネを手放すことになります。

 

その後にコニャックで酒商を営んでいたテッスロン家がこれを買い取り、シャトー元詰めを開始し、現在の評価までに至ります。

 

1982年にセカンドワインを導入したことで、厳密な品質基準を高めることが可能になりました。地下セラーや貯蔵庫も改修し、設備を整えていきます。

現在は息子のアルフレッド テッスロン氏が引き継ぎ、品質向上を目指し、引き続き積極的な設備投資を行っています。

 

1994年以降、飛び級をして3級に格上げされるべきという声が上がるほど、高い評価を得ています。

評論家ロバート パーカー氏は2010年のポンテ カネに100点を付けるなど、偉大なシャトーであると評しています。

ワイン スペクテーターでは、「パワフルで、長期熟成に耐える丁寧な造りである」と評価されています。