ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトープリューレリシーヌとは?その特徴と歴史

シャトープリューレ リシーヌ(CHATEAU PRIEURE LICHINE)はマルゴー(カントナック村)に位置し、4級に格付けされているシャトーです。

セカンド ワインは、コンフィダンス ド プリューレ リシーヌです。

所有している畑はおおよそ77.5haと大ぶりで、栽培面積はカベルネソーヴィニヨン50%、メルロ42%、カベルネ フラン2%、プティ ヴェルド6%です。

マルゴーのワインにしては小石が多く、砂利質の強い表層土壌です。

小さいですが、白ワイン用に1.6haの畑も別に所有しています。

 

このシャトーで押さえておくべきは、何といっても1951年にこのシャトーを買収し、自身の名前をシャトーにつけたアレクシス・リシーヌ↑でしょう(1913~1989)。

写真を見るとアサシンみたいですが、これがワイン界の超大物だったのです。

 

裕福な銀行家に育ち、そしてロシア革命から逃れてきたリシーヌは、数奇な運命を経てワイン商となり、第二次大戦後のアメリカ市場の拡大の波に乗って大成功をおさめます。

さらに、ワイン評論家としても活躍してユーザーの知的欲求にこたえる資料がないことに気づくと英米向けに「フランスワイン」を出版、これがベストセラーとなります。

当時、フランスワイン界は今とは比べ物にならないほど閉鎖的で情報が不足する中、彼は体当たりでワインの知識を得て、それをマーケットに広めるのです。

 

 

1951年にアレクシスリシーヌが買収した当時、シャトーの名前は「プリューレ カントナック」でした。

そこに自分の名前を冠してまで心血を注いだのがこのシャトーなのです。

 
その後に努力の結果得た知識を総動員してこの手の出版物では無敵のバイブルである「encyclopedia wine and spirits」を出版します。
 


 
思い出話になって申し訳ないのですが、この本はソムリエコンクールの筆記試験で上位をとるには必ず押さえておくべき本で、私がコンクールに出場していたころ、この本の存在を知っているかどうかが入賞の分かれ目でした。
 
この本を見つけたとき、まるでとりつかれたように最初から最後まで目を通し、丸暗記していったことを思い出します。
 
褒めたものではありませんが、あまりにも内容がピンポイント過ぎたので、見つけてしばらくはソムリエの友人の誰にも教えなかったことを思い出します。
 
いまでも十分に通用するほど本質的で精緻、深く広い知識が手に入れられます。ソムリエさんやコアなワインファンであれば一度は目を通すことをお勧めします。

 

 

このワインは格付けこそ4級ですが、リシーヌの功績によって特にアメリカで人気があり、日本のレストランでこのシャトーを注文する外国人がいたら相当のワイン通と思っていいでしょう。

ワインの評価は、トップ集団のワインではありますが、その中ではとびぬけていいものではありません(↑ただしこのレーティングでも相当評価は高い)。

ワインのすそ野を広げるビジネスモデルだったリシーヌのビジネススタイルが影響しているのか、品質の割に価格は押さえめで、格付けシャトーの中ではお値打ちといえます。

アレクシスリシーヌは、1989年に亡くなるまで絶えずワイン界の寵児でした(プライベートでも大変なモテ男で、3回の結婚と離婚をしますが、そのうちの一人は女優アーレンダールです)。
 
お察しのとおり、見た目も個性的であくが強く、好き嫌いが分かれそうな印象を受けると思います。
 
この手の雰囲気が好きな人にはたまらないでしょうし、逆に苦手な方も多いでしょう。
 
ではワインはどうかというと、これが品よくまとまりがあり、目立ったところがなく、穏やかで舌触りの良い渋みと果実味のバランスの取れた大変に上質な味わいなのです。
 
後述しますが、この人はワイン商で大成功を収めた会社を売却して資金を調達してまでワイン造りにのめりこんだ人です。
 
そんな人が起源のシャトーですので、「どんなもんだ」と味見してみてはいかがでしょうか。

シャトープリューレリシーヌ

通好みのシャトー

アレクシスリシーヌは、もともとはワイン商だったのですが、ワイン造りへの夢が消えずに1951年にこのシャトーを売買により取得します。

当時ワインの評価はパッとせず、世界的な不景気も相まって二束三文で売りに出ていた畑と、かつて修道院だったシャトーをまとめ買いするのです。

 

ボルドーのシャトーは金食い虫といわれ、購入するよりもその維持費が莫大です。

その資金は自身のアレクシスリシーヌ社を英国のビール会社バス・チャリントンに売却して調達するほどの熱の入れ具合でした。

リシーヌの情熱と努力で4級末尾の格付けだったこのシャトーは、一気に人気者となるのです。

 

1998年まではミッシェル ロラン氏が、ただひとりコンサルタントに就いていましたが、1999年からはステファン デュ ルノンクール氏もコンサルタントに採用されました。

2001年ヴィンテージを最後にミッシェル氏は去り、ルノンクール氏が品質向上に努めています。

 

収穫は手摘みで行い、除梗前と後に入念に2回選果を行います。

発酵はステンレス タンクとコンクリート タンクを併用しています。マロラクティック発酵は、樽とステンレスタンクを用いており、熟成は新樽率60%で18カ月行います。

 

ワイナリーの歴史

12世紀にヴェルトゥイユ大修道院でブドウ栽培が始まったのが、プリューレ リシーヌの始まりと言われています。

当時4haと小さな畑で、修道院のミサ用に造られていたワインが評判となり、市場に出回るようになりました。

そしてフランス革命後に様々な所有者の手に渡り、1951年に前述のアレクセス リシーヌ氏が購入します。

 

彼は当時プリューレ カントナックだったシャトー名を、1953年からプリューレ リシーヌに改称します。

所有畑を拡大し、シャトーの発展に寄与しました(リシーヌの時代に買い集めたから畑は分散している)。

1989年には息子のサーシャ氏が引き継ぎますが、1999年にバランド グループの所有となりました。

 

 

プリューレ リシーヌはエレガントで女性的なスタイルです。

評論家ロバート パーカー氏は、「現代的なスタイル」と評しており、そのコストパフォーマンスの高さも評価しています。

ステファン デュ ルノンクール氏がコンサルタントに就任した後、さらなる成長が注目されているシャトーです。


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