ワイン用語集スペインワイン

プリオラート ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

PRIORATO(以下プリオラート)はスペイン北東部であるカタルーニャ地方のワイン生産地となり、スペイン内ではリオハの次にDOCaに認定されています。

 

高級赤ワインとして有名で、12世紀よりワイン造りが始まったとされる歴史あるワイン産地です。

19世紀末にフィロキセラによってブドウが壊滅に追いやられたものの、1980年代に4人組と呼ばれる醸造家達によって改革が行われて一気にスターダムにのし上がりました。

(四人組→1980年代後半にプリオラートのワインを世界に知らしめた革命児。アルバ―リョ・パラシオス、ルネ・バルビエ、カルロス・パストラーナ、ホセ・ルイス・ぺレス)

このことによってスペイン屈指のワイン生産地として注目されるようになるのです。


プリオラートは、後述する低収量によって濃縮してかつ洗練された品質の高いワインを造っていますが、これに加えて生産者の少なさも特徴的です。

生産量もすくなく、そのため一部には高値が付き、それらはスペインのカルトワイン的な存在となっています。

(大部分は上質ではありますが価格も低く、コストパフォーマンスの良いワインです)

プリオラート

全体像


バルセロナから海岸沿いに150キロほど南下し、海岸から20キロほど内陸にあるプリオラートは、もともと12世紀にここに移り住んだカルトゥジオ会の修道士にちなみます。

プリオラートそのものは修道院を意味するので、これが語源だとする説がありますが、この地域にあった修道院が最高位だったので、その意味のプリオール(PRIOR)が語源だとする説もあります。

 

もともと伝統的にプリオラートは10月まで収穫を待つ遅積みの手法をとっていて、こうすることによってブドウの糖度が上がり、アルコール度数の大変に高いワインを造っていました。

しかし、酒質の強さ以外に売りや特殊性がなく、徐々に衰退の道をたどるなかでフィロキセラに見舞われ、ほかの多くの地方と同様に壊滅状態に追いやられます。

その後にこれといった施策がされずに住民は流出し、細々としたワイン造りが行われていたのです。

それが1980年代になり、ルネ・バルビエやアルバ―リョ・パラシオスらがこの地方の傑出性に目をつけ、1989年にリリースをすると世界中がその品質の高さに驚き、一気にスペインワインのスター的存在となるのです。

 

なぜプリオラートに目を付けたのか?

プリオラートの四人組のことはワイン好きであれば一度は聞いたことがあるでしょう。

しかし、よくよく考えてみるとそれまでこれといった特徴のないワイン産地だったところになぜ注目したのかが気になるところです。

四人組の中心人物はルネバルビエで、彼は曽祖父がジゴンダスでワイン造りをしていたワイン一家でした(ジゴンダスグルナッシュです)。

その後のフィロキセラによってスペインに移り住み、タラゴナでワイン商を始めます。

そのような家系に育ったルネバルビエは、リオハのワイナリーで働いていたところ、たびたび訪れていたプリオラートに着目するのです。

まず、プリオラートの土壌である「リコレッリャLICORELLA↑」と呼ばれる粘板岩質土壌が傑出していました。

 

この地方の降水量は年間わずか400ミリ以下で、本来であれば灌漑が必要なほど干からびる環境なのですが、リコレッリャは予想に反して湿っていて、そして冷たかったのです。

 

この土壌だとブドウはわずかな水分を求めて根を伸ばし、そして土壌にある諸要素を吸い上げるのです。
また、リコレッリャはよく見るとキラキラした細かい岩が太陽を反射し、これがブドウの糖度を高めるのです。

 

そして、フィロキセラが比較的に遅く訪れたためそれまでのガルナッチャだけではなく、国際的なカベルネソービニョンやメルローなども植えられていたのです。

 

このブレンドがそれまでのスペインワインのイメージとは全く異なり、パワフルかつ洗練された独自のワインを生み出すことに成功するのです。

 

 

ブドウの品種

黒ブドウ種のガルナッチャやカリニェーナに、ボルドーの品種であるカベルネソーヴィニヨンメルローをブレンドした製法が多くなっています。

ガルナッチャはフランスグルナッシュ、カリニェーナはフランスカリニャンですので、スペインワインでありながらフランスのワイン造りの影響は大きかったと推測できます。

非常に降雨量が少ない地域なので、地中深くにある水をブドウの根が吸い上げるため、地中にあるミネラルと水分を同時に吸い上げます。

そのためミネラルたっぷりの、旨みが凝縮されたワインとなります。

プリオラートの主要品種であるガルナッチャは、もともとスペインのアラゴン地方の原産とされていますが、現在は南フランスやオーストラリアでもグルナッシュとして多く栽培されて、こちらのほうがよく知られています。

 

グルナッシュは病害虫に強く、収穫量も多いためもともと量産用のブドウ品種として用いられていました。

 

最近では研究が進んで品質が高く、高級ワインの品種としても知られてきました。

 

 

プリオラートの特徴

プリオラートはスペインの中でも高価なワインとなり、いわゆるブティックワイナリーのものでは1本10万円近くするものまであります。

深いルビー色で、タンニンの強いアルコール度数の高い赤ワインとなり、ベリーなどの果実味スパイスの風味が特徴です。

熟成期間によって分類されるようになっており、オーク樽内で6ヶ月間、そして瓶内で18カ月熟成された場合はクリアンサと表記されます。

樽内で12カ月と瓶内24カ月熟成されたものはレセルバ、樽内で24カ月と瓶内で36カ月させたものはグラン・レセルバと表記されます。

樽内熟成期間が長ければ長いほどいいと思われていますが、実際には樽熟成期間は酸化が進み好みが分かれます。

一般的にはレセルバクラスでもボルドースタイルの凝縮感のあるワインになります。

 

楽しみ方のコツ

スペインワインではヴェガシシリアのウニコとともに高値で取引されるワインもあり、希少性の高いワインですので、できれば気分を盛り上げて、事前に知識を仕入れていただきたいワインです。

大ぶりのボルドーグラスで、温度は18度程度でいいでしょう。

収穫から5年程度のワインはデカンタージュをして空気に触れさせるのもいいですね。


上質で豊潤な赤ワインなのでチーズやドライフルーツとのマリアージュは最高です。

肉料理とももちろん相性良く、イベリコハムなどでワインの味を感じながら、食前や食後に楽しむことも出来ます。

できればご家庭での気軽な料理よりはレストランのシェフがしっかりと作りこんだ料理がいいでしょう。

渋味も強く、飲みごたえもありながらも洗練されていますので、熟成させたものは、例えば上質な牛フィレ肉のグリルにフォワグラを添えたようなクラシックな料理に最高です。