ワイン用語集フランスワインブルゴーニュ地方

ピュリニーモンラッシェとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

ピュリニー・モンラッシェ(PULIGNY MONTRACHET)は、世界最高峰の白ワインとも言われるブルゴーニュのアペラシオンの中でも頂点のワインを生産する村です。

99.64%が白ワイン、0.36%が赤ワインですので、ほぼ白ワインの生産エリアといっていいでしょう。

 

偉大なワインであるモンラッシェとバタールモンラッシェ、シュバリエモンラッシェ、ビアンヴニュ バタールモンラッシェはこの村の中心部に集中しています。

隣村のシャサーニュとながいこと平和なライバル関係にあって、これらのグランクリュを分け合っている形になります(シュバリエとビアンヴニュはピュリニーのみのクリュ)。

 

1962年にフランス政府が新しいパリ―リヨン間の国道を作るときに、1200万フランの予算をかけてまで迂回させてこの村の畑を守ったという伝説が残っています。

 
ワインブックスで取り扱いがあります】
シャサーニュ村とピュリニー村の一覧です)

 winebooks.jp
https://winebooks.jp/category/item/france/bourgogne/puligny-chassagne

 

評価の高い生産者に

Benjamin Leroux、Alain Chavy、Bachelet-Monnot 、Domaine Benoit Ente、Bernard Morey et Fils、Coche-Dury 、Colin-Deléger 、Etienne Sauzet 、François Carillon、Henri Boillot、Jacques Carillon、Jean Charton,Jean-Claude Bachelet,Jean-Marc Boillot,Leflaive,Louis Carillon,Marc Colin,Marc Morey,Matrot,Michel Niellon,Paul Pernot,Ramonet,Yves Boyer Martenot,d’Auvenay, Château de Puligny-Montrachet,Jacques Prieur,Lucien le Moine,Olivier Leflaive ,Vincent Girardin

などがあります。

(まっすぐ行くと畑に出ます)

ワインに興味のない人であれば全く見るべきところのない村で、少ない人口のほとんどがワイン造りに関連する産業にかかわっています。

実際に村を歩くとゆったりとしていながら、かつ、落ち着いた風情のある建物が並び、いわゆる名家が多いということが感じられます。代々の村長もワイン生産者出身です。

村全体が穏やかでスマート、だれも理性で口には出しませんが金持ち喧嘩せずの無言のメッセージが歩くだけで伝わってくるような印象を受けます。

畑に抜ける道にある生産者の銅像

 

ピュリニー・モンラッシェという名前の由来は、ラテン語の「禿山」からきています。

石灰分が多い土壌のため、ブドウ以外は栽培できないことからこの名前が付いたと言われています(諸説あります)。

 

↓の地図を見てお分かりのとおり、ピュリニーモンラッシェ村は市街地が村の中央にありますが、秀逸なワインは例外なく村の西側で造られ、逆に東側では並質の村名ワインが多く作られます。

 

ピュリニーモンラッシェは、ムルソーと並ぶ世界最高のワインを造る村なのですが、特級ワインにモンラッシェがあって、これにハイフンがつく形で村名があり、ユーザー様には混乱する人もいるかもしれません。

 

まず押さえるべきは5つの特級ワインでしょう。

↓のようにピュリニーモンラッシェ村とシャサーニュモンラッシェ村にモンラッシェをハイフンでつなぐ特級ワインが5つあって、これがそれぞれの村にまたがっているのです。

ピュリニー シャサーニュ
モンラッシェ 4ha 4ha
シュヴァリエモンラッシェ 7.59ha
バタールモンラッシェ 6.02ha 5.85ha
ビアンヴニュ バタールモンラッシェ 3.69ha
クリオ バタールモンラッシェ 1.57ha

 

これにつけ加えて、ピュリニーモンラッシェには村名ワインがあって、プルミエクリュ、単なる村名クラスのワインがあります。

 

ピュリニーモンラッシェ プルミエクリュ

1級畑で採れたブドウで造られるワインで、ピュリニーモンラッシェの後に畑名がつくことがほとんどです。

後述しますが、ピュリニーは1級に傑出したワインが多数あります。

 

単なるピュリニーモンラッシェのみ→

いわゆる村名クラスのワインで、モンラッシェの名前がついても特級やプルミエクリュとは品質は違います。

生産者の見極めが重要なクラスでしょう。

 

もともとモンラッシェのワインの傑出性が広く知られていたので、これに追従する形で村名が決まった経緯があります。

そのため一般のユーザーからすればわかりづらく、誤解のもとになる可能性を含んでいるのです。

どうしても特級のモンラッシェのイメージが強く、仕方がないこととはいえ、ワインファンであればここはしっかり押さえておきたいところでしょう。

ジュヴレシャンベルタン同様基本ではありますが、間違えると消費者にとっても生産者にとってもいいことがありませんので、念のため押さえておきましょう。

特級のモンラッシェに関しては、こちらをご参考ください。

 

ピュリニーモンラッシェ

1級畑の秀逸性

ピュリニーモンラッシェの特徴はいろいろありますが、その一つに1級畑の秀逸性があげられます。

シャサーニュモンラッシェの1級畑にも素晴らしいワインは多数ありますが、総量としてはやはりピュリニーでしょう。

特級ワインに比べると柔らかい仕上がりで飲み頃も早く来ますが、ブルゴーニュの白のだいご味といえば、ピュリニーの1級畑のワインを強くお勧めします。

 

1級畑で評価の高いものに、

ル カイユレ、レ ピュセル、クラヴァイヨン、フォラティエール、シャン ガン

などがあり、銘柄によってはグランクリュと同様かそれ以上の評価を得ています。

もっとも、その分価格も高めでほかの村の1級ワインよりも1段高い価格で取引されています。

 

ここでは、評価の特に高い二つのプルミエクリュを見てみましょう。

 

プルミエクリュ ル カイユレ

ピュリニーのプルミエクリュでまずは押さえておきたいのはカイユレでしょう。

カイユレ(CAILLERET)はモンラッシェの畑の北側に面していて、おそらくもっとも特級に近い1級と評価されている畑でしょう。

カイユはウズラの意味もあるのですが、この場合のカイユは石っぽさを意味する「カイユ― CAILLOUX」がその語源とされています。

実際にカイユレの表土には小石が混じっていて、緊張感とエレガンスのある仕上がりのワインになります。

生産者によって価格はまちまちですが、おおよそ一本15000円~30000円程度でしょう。

 

面積3.9323ha,ジャン・シャルトロン(0.86ha)、モンティ―ユ(0.85ha)、プス・ドール(0.73ha)、ボワイエ・マルトノ―などの所有者がいます。

 

プルミエクリュ レ ピュセル

乙女という語源の畑ですが(というかおてんば娘のイメージ)、実際はエレガンスと骨格の太さを感じるワインとして知られています。

畑のほぼ半分を所有するドメーヌルフレーヴが質の高いワインを造り続けているので、これがこのワインのイメージそのものであることは間違いありません。

畑はカイユレの下にあって、ここも特級ワインに限りなく近い品質だと評価されています。

こちらもおおよそ15000円~30000円程度でしょう。評価の高いワインですと30000円は軽く超えます。

こうなるとグランクリュ並みの価格ですね。

 

6.66haの面積で、ドメーヌルフレーヴ(3.06ha)、ジャンシャルトロン(1.16ha)、ポールペルノ(0.40ha)、ヴァンサンジラルダン(0.27ha)、フィリップシャヴィ(0.20ha)などの所有者がいます。

 

 

前述のようにピュセルは乙女という意味がその起源ですが、諸説あってシュヴァリエモンラッシェの語源とあいまって現在では話題に上らないようです。

 

 

ブドウの品種

使用されるブドウはシャルドネとなります。部分的に赤ワインピノノワールも栽培されています。

グランクリュを4区画、1等級畑を17区画も保有しており、ブルゴーニュの中でも屈指のアペラシオンとなっています。

村の西側に掛けてブラニィの丘があり、その丘の斜面にブドウ畑が広がっています。

東向きの日当たりの良い畑は、標高250m前後の斜面が村名の畑です。

上方部分の4分の3が1級畑、そして残り僅かな部分が特級畑となります。

全体的に泥灰土の土壌となり、石灰も含まれているのでミネラル豊富なワインが多く造られます。

区画ごとに違った味わいを楽しめるワインでしょう。

 

ピュリニー・モンラッシェの特徴

この地の土壌特有のミネラル豊富な白ワインとなり、酸もバランス良く感じられます。

すっと引き締まったエレガンスさと、控えめなボディは洗練された味わいとなります。

アーモンドやナッツ、レモングラスや青リンゴを思わせるワインで、凝縮された味わいが特徴的です。

 

シャサーニュやムルソーとの比較がよくされますが、ピュリニーはそのどれよりもぴんと張った辛口の印象が強く、これが熟成することで一気に華やかになる特徴があります。

一般的に村レベルではピュリニーがやや上の評価を受けていて、流通価格も若干高めになっています。

ただし、ほかのブルゴーニュのワインと同様、生産者間の差が大きいので注意が必要です。

 

一方で、少ないながらも赤ワインも生産されています。

白ワインがメインのクリュのため、赤ワインはコートドニュイのワインよりも若干酒質が軽めのものが多いです。

 

 

楽しみ方のコツ

ピュリニーモンラッシェのワインは、1級クラスと村名クラスのワインで差が大きく、おそらく一般的なイメージは1級ワイン以上のものになると思います。

このクラスのワインは若いうちはピンと張りつめた緊張感のある仕上がりですので、できれば7~8年は待ってから飲みたいワインでしょう。

 

 

ピュリニーの1級以上のワインは高級料理との相性が良く、オマール海老やフォアグラなどとのマリアージュが最高です。

また、酒質が強いため肉料理にも十分に合わせることが可能です。

完成度の高いワインのため、ご家庭でお飲みになるよりはシェフがしっかりと作りこんだレストランの料理が似合うでしょう。

チーズであれば、シェーブルチーズやルブロション、ブリー・ド・モーがおすすめです。

世界的に誰もが飲みたいと渇望するワインたちなので、できればいい環境の中で、気分を盛り上げていただきたいワインです。