カンシーは、フランスのロワール地方サントルニヴェルネ地区の醸造地です。
この地域がAOCの指定を受けたのはフランス国内で2番目の1936年と、早くからその品質の高さは知られておりました。
また、造られるワインは白ワインのみであるという特徴もあります。
近くのサンセールやプイイフュメの陰に隠れて存在感が薄く、日本ではほとんど見かけません。
しかしソーヴィニヨンブランの華やかさがよく出たワインは出色で、ワインショップなどで見かけた際はぜひお試しいただきたいワインとしてお勧めします。
カンシー
ワインの特徴
シェール川沿いの、およそ270haという小規模な畑で、ソーヴィニヨンブランを栽培しています。
石灰質の土壌の上に小石交じりの砂という特殊な土壌によって栽培されているブドウは、
カンシー特有の香りと風味を作り出しています。
昔からのぶどう樹が大切に扱われ、中には樹齢100年を超えるものもあります。
このような特徴的な土壌と、古くからのぶどう樹によってカンシー独自のあじわいが実現されています。
カンシーのワイン醸造の歴史は長く、12世紀にはすでにシトー派の修道院によって上質なワインを造っていたという記録が残されています。
14世紀には宮廷御用達となり、フランス国内で愛されるワインとなりました。
このような歴史からか8割ほどが国内で消費され、輸出に回されるものは2割と希少になっています。
ワインの味わい
グレープフルーツやミントのさわやかな香りを持ち、辛口で果実味の強いしっかりとした味わいのワインです。
アカシアの花のようなアロマも持ち、特に女性からの高い人気を集めています。
酸味が繊細で、かつ生き生きとしていて心地よく、飲んでいてウキウキするような口当たりです。
このような味わいからレストランなどではアペリティフとしても最適で、最初の一口目にいただくと食欲を増進させ、お料理への期待を高めてくれるでしょう。
楽しみ方のコツ
冷蔵庫などで8度程度に冷やしていただくとよいでしょう。
長期熟成に向いたタイプのワインではないので、ご購入後できれば早めにお飲みください。
基本的にデカンタは使わずそのままお飲みいただくことをお勧めしますが、ワインによってはミネラルの香りにかじの香りがふさがれている状態もあります。
この場合は還元的な香りを華やかにするためにデカンタージュをするソムリエもいます。
使用するグラスは、使用しているブドウに合わせて中ぶりなチューリップ型のものが最適です。
若干口がつぼまったほうが、さわやかな酸味を楽しむことができます。
合わせる料理
フランスが伝統的に作っている、シェーブルチーズとの相性は非常に良いとされています。
シェーブルのさわやかな酸と、クリームの風味がカンシーの果実味とよく合います。
また、辛口の白ワインなので、鶏肉や魚を使ったあっさりとした料理とも相性が良いです。
カンシーは酒質がしっかりしているので繊細な料理にも合わせやすく、例えばグレープフルーツのドレッシングのお魚のカルパッチョなどは素晴らしいマリアージュでしょう。