あなたがワインバーをこれから楽しもうとする場合に、ひょっとしたら「どのように楽しめばいいのか・・・」と気後れしてしまいませんか?
・空回りしたらどうしよう
・お店の人にばかにされたらどうしよう
・連れの人にワインのことがわかっていないことがバレたらどうしよう
こういう思いがよぎるのは当然でしょう。ましてやこれからワインバーを楽しもうとしているのであれば最初の体験がこれからを大きく左右します。
でも、ここに紹介する5つのブドウ品種をおさえればとりあえずは問題ありません。
今回は赤ワインを楽しむうえで「これさえ知っておけばオッケー」というものを紹介します。
Contents
赤ワインのブドウ品種
なぜブドウ品種が大事なのか?
ブドウ品種の紹介の前に、なぜブドウ品種を知ることが大事なのかを知りましょう。
もともとワインの文化はフランスが圧倒的に質をけん引していました。世界中のワインは「フランスに追い付け追い越せ」を目標にしていたのです。
「どうやらフランスのブドウはワインに向いているらしい。それならそのブドウを俺たちも植えてみよう」となるのは自然なことでしょう。
そこで、ニューワールドと言われるアメリカやオーストラリアなどのワイン生産者はフランスの”ブドウ品種”に着目します。
そしてブドウ品種の名前を前面に押し出したワインを生産しました。
それまでは、ワインの名前と、そのワインにはどのようなブドウ品種が使われているのかを覚えなければいけませんでした。
しかしそれでは間口が狭くなってしまいますし、何よりも親切ではありません。
ラベルにブドウ品種が書かれていると消費者にとってはわかりやすく、ラベルから味が想像できるのでウケが大変に良かったのです。
その流れはワイン界の大きな流れで、現在ではほとんどの国ではブドウ品種を明記するようになったのです。
”ブドウ品種”は、ほかのどの要因よりもワインの味を左右するためこのような流れになったとも言えます。
カベルネソーヴィニョン
ボルドーで最も有名なワインの一つ。シャトーラフィット↑
では、まずは知っておきたい赤ワインの品種の代表です。
カベルネソーヴィニョンといって、フランスのボルドーワインの主要な品種です。
ボルドーは1800年代から高級ワインの生産地として名をはせてきました。その味をけん引したのがカベルネソーヴィニョンと言っても過言ではありません。
ワインは色が濃く、熟成にも耐えられます。果実の香りとスパイスの香りが程よく溶け込んでうっとりする味わいにファンも多い品種です。
ピノノワール
次に、ピノノワールを紹介しましょう。
ピノノワールはブルゴーニュのブドウ品種で、高価で有名なロマネコンティもピノノワールです。
コアなファンが大変に多く、中にはピノノワールしか飲まないという人もいるほどです。
カベルネソーヴィニョンに比べると色合いが明るく、透明感を感じると思います。
ボルドーに比べると内陸で気象条件に恵まれないため、そのかわりに土地に根差した味わいの変化を楽しむのが通とされています。
これをミクロクリマと言います。
シラー
シラーは南フランスの原産で、現在は世界中で生産されています。
オーストラリアではシラーズと呼び、大変に色が濃く、スパイシーで凝縮感のある味わいです。
その味わいからステーキやバーベキューなどのこってりした肉料理によく合います。
このワインのいいところは値段が安くてもたいていおいしいワインだというところです。
カベルネソーヴィニョンやピノノワールは酒屋さんで3000円くらいのワインでないと良さが伝わりにくいのに対してシラーズは1000円台でも十分においしいものが探せます。
また、醤油の味わいとも相性がいいのですき焼きなどのような日本料理とも合わせて飲まれます。
サンジョベーゼ
サンジョベーゼはイタリアのトスカーナ地方で有名な品種です。
トスカーナ州はフィレンツェのある州で、観光地としても有名です。
キャンティというワインは聞いたことがある人が多いと思いますが、その代表的な品種と覚えてください。
ワインバーにはイタリアワインを専門にしたお店も多く、イタリアワインラバーの中には「イタリアの品種こそがイタリアワインだ」という熱心なファンも多いです。
サンジョベーゼであればイタリアワイン専門のワインバーであればどこでもたいてい一つはあるものです。
「グラスのサンジョベーゼをください」といえば、お、この人はイタリアワインを知っているなと思われるかもしれません。
ネッビオーロ
ガイヤのバルバレスコ↑
ネッビオーロもイタリアのブドウ品種ですが、特に北部で大変に高品質なワインを生産しています。
トリノがあるピエモンテ州を中心に北西部一帯でもっとも成功しているブドウ品種です。
バローロやバルバレスコといったイタリアを代表するワインの品種で、酸味と渋みが強く、そのため長期の熟成にも向いています。
この品種もコアなファンが多く、まだ紹介されていないワインの中にもいいものが眠っていることもあり、お宝探しの品種とも言えます。
ネッビオーロはグラスワインで提供されることはほとんどありません。
繊細なボディーがあり、さらに好き嫌いが分かれる品種なのでお店側もグラスワインでは出しづらいのです。
注文方法
いかがでしょうか。
カベルネソーヴィニョン、ピノノワール、シラー、サンジョベーゼ、ネッビオーロをとりあえず知っておけば何とかなると説明しました。
では、お店では具体的にどのように注文すればいいのでしょうか?
それは例えばグラスワインであれば「ピノノワールのグラスワインをお願いします」と伝えればいいでしょう。
ボトルワインであればワインリストの値段を指したり、あるいははっきりと「8000円くらいでカベルネソーヴィニョンをお願いします」といえばたいてい何かしらをお勧めしてくれます。
おそらくこの段階でソムリエはあなたが全く知識がない人とは思わないので、「産地はどうしますか」「味わいはどのようなものが好きですか」などと聞いてくると思います。
この場合は正直に「そこまでは詳しくないのでお勧めをお願いします」と言えばソムリエとしては腕の見せ所なので、大変に喜ばれます。
まとめ
ワインはブドウ品種が最も品質に影響を与えます。
そのためブドウ品種さえ知ってしまえばたいていのワインに対応が可能です。
産地やヴィンテージまでおさえようとすると大変ですのでとりあえずはこちらに挙げた5品種さえ知っていれば大丈夫でしょう。
何も知らずに行くよりは、品種を知ることで何十倍も楽しめることを約束します。