ワイン用語集スペインワイン

リオハ ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

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リオハ(RIOJA)はスペインのカンタブリア山脈の南側、エブロ川流域で生産されるスペインで最も有名なワイン産地となります。

赤ワインが主流となるものの、白やロゼやスパークリングも生産されています。

リオハは、スペインワインの原産地称であるDOの中でも最上級のDOCa(特選原産地呼称)に認定されています。

スペインで初めてDOCに認定されたワインとなります。

 

果実味と滑らかな口当たり、個性的な樽熟成の風味が世界屈指のワインと称賛されてきたのですが、今日ではリオハのワインは以前ほどの評価を得ていない感は否定できません。

中にはリオハは過去の栄光のワインだとみる向きもあり、日本の市場でも以前ほどの知名度はやはり見受けられないのは事実でしょう。

確かに現在のスペインを含めた各国ワインの発展は目覚ましく、これがリオハの突出性を目立たなくさせている理由といえます。

しかし、ではリオハの品質が大したことがないのかと言われればそれは誤解だし、品質もしかり、伝統ある歴史叱りと味わい深いワインなのです。

1930年代からつづくフランコ将軍の独裁政治によってスペインは鎖国同然の状態にありました。
 
その後1970年代になって将軍の体制が終焉すると一気に国の開放政策は進み、海外からは新しい情報と技術が流入し、そして投資チャンスが生まれるのです。
 
そして1980年代以降、もともとの伝統的なリオハのスタイルに加えて新樽を巧みに使う生産者が台頭し、モダンスタイルと呼ばれるリオハが生まれます。
 
この流れが過度の新樽率と濃縮した味わいを生み、概ね世界のワインファンも好意的に受け入れてきたのです。
 
しかし、近年ではそうした極端な嗜好から振り戻しの時期にあり、樽の風味も押さえめで果実味と酸味のエレガントなリオハにまた戻りつつあります。

 

リオハ ワイン

世界屈指の銘醸地

リオハが今日のような銘醸地になったのには理由があります。

19世紀の後半にフランス全土をおそったフィロキセラによってボルドーは壊滅的な状況に追いやられ、それによってボルドーのワイン商たちがリオハに目を付けたのがその契機になります。

リオハはボルドーからさほど離れていなく、かつフィロキセラの被害がそこまでひどくなかったのです。

スペインの貴族たちはボルドーと交流があり、リスカル侯爵は政治的な理由からボルドーに亡命したのもきっかけとなります。

ボルドーで畑を失った生産者は半分夜逃げのようにこの地に移り住んでワイン造りを始めたこともボルドー風ワインの傾向により一層拍車をかけます。

当時のリオハは大樽での発酵と熟成が行われていましたが、これによって木製発酵槽での発酵と小樽熟成の特徴が決定的となるのです。

 

スペインでは鉄道がなかった19世紀半ばまでは馬とかロバの荷車に頼るしかなく、こうなるとリオハワインは地元消費で完結することになります。
 

しかし1848年にバルセロナを起点に開通した鉄道はその後数十年でスペイン全土に鉄道が敷かれます。
 

これによって輸送コストも輸送量も一気に改善し、ワイン産業にも大きな影響を与えることになるのです。
 

これと前述のタイミングがあわさり、一気にリオハのワインは知名度を獲得し、一流銘醸地の仲間入りを果たすのです。

 

 

ブドウの品種と地勢

赤ワインテンプラニーリョ種が多く使用され、他にはガルナッチャやマスエロ、グラシアーノが使用されます。

一方白ワインはビウラ種が主流となり、マルバシア種やガルナッチャ・ブランカ種なども使用されます。

リオハはバハとアラベサ、アルタの3地区に地域が分かれるものの、3地区のブドウをブレンドされることも多くなっています。

地域によって土壌が異なるため、同じブドウでも味の違いがあり、ブレンドされることで複雑味が出ます。

 

北緯42.45度に位置し、ブドウ畑の標高は300~700メートルになります。

生育期の平均気温は18度程度で年間の平均降水量は405ミリと、高級ワイン造りにはもってこいの環境です。

年間を通じて平均して雨に恵まれていますので夏の暑さは厳しくなく、冬も温暖です。

 

以下は各熟成呼称の熟成年数です。

細かいので試験に出しやすいのですが、「おおよそ2~5年の法定熟成期間がある」くらいの理解で問題ありません。

グランレゼルバで5年の法定熟成期間ですが、これはイタリアのブルネッロディモンタルチーノのリゼルバと同じ期間です。

 

  • グランレゼルバ
【赤】 60ヶ月熟成:内24ヶ月以上をオーク樽で熟成させる
【白・ロゼ】 48ヶ月熟成:内6ヶ月以上をオーク樽で熟成させる

  • レゼルバ
【赤】 36ヶ月熟成:内12ヶ月以上をオーク樽で熟成させる
【白・ロゼ】 36ヶ月熟成:内6ヶ月以上をオーク樽で熟成させる

 

  • クリアンサ
【赤】 24ヶ月熟成:12ヶ月以上をオーク樽で熟成させる
【白・ロゼ】 24ヶ月熟成:内6ヶ月以上をオーク樽で熟成させる

金網に包まれたリオハ

これは余談ですが、リオハで有名なリスカル侯爵のワインは日本のワインショップでもよく見かけると思います。

このワインは金網で包まれていて、これが目に留まりやすく覚えている人も多いかもしれません。

このワインだけではなく、スペインにはこの”金網に覆われたワイン”は結構見かけることが多いのです。

 

この金網には諸説あって、ボトルが割れるのを防ぐためと言われることもあるのですが、もう一つ重要な理由があるのです。

 

上記のリスカル侯爵のワインは以前より美味しくて有名で、そのため偽物が横行した時期があったのです。
 
昔の偽物は今よりももっと大胆で、本物のボトルを入手してそれに粗悪なワインを詰め替えて平気な顔をして本物として売り出していたのです。
 
この対策としてボトルに網をかけ、封印をしたのが始まりとされる説も有力です。 
 
そして今度は「あそこの金網のかかったワインはおいしいらしい」といううわさが広まります。
 
金網で覆えばおいしそうに見えるし、なんとなく目にも止まりやすいし高級感もある。よし、いいぞ・・・。
 
これがスペインワインで金網をよく見かける理由だというのです。

 

決して褒められたことではありませんが、現在のスペインワインの興隆をみると、そのたくましさも一つの鍵なのかもしれません。

 

 

リオハの特徴

最大の特徴は白、赤ともに樽熟成の風味が強く、これによってリリースしたてのワインにも複雑さが楽しめるところにあります。

赤ワインはバニラの香りなどの複雑なアロマが特徴となり、樽によって熟成されたコク深い上質な味となります。

キメの細かい舌触りで、大人のワインにふさわしい気品と風格ある赤ワインとなります。

熟成されたものは、香り高く非常にエレガントで滑らかな舌触りとなります。

白ワインはリオハワインの中でも輸出5%を占め、これから徐々に世界に進出が期待されています。

アロマティックな白ワインで、エキゾチックでハーブなどのアロマが特徴です。

酸味と爽やかさの感じられる味わいとなります。

 

飲み方のコツ


リオハの赤は、ボルドーワインが好きな人であればドンピシャなワインでしょう。

果実の濃い味わいと樽の印象は上質のボルドーを思い起こさせます。

ただし、酸味がボルドーよりも柔らかく、これが熟成が進みやすい理由の一つです。

レゼルバクラスまでは飲むときは16度くらいにひやし、徐々に温度が上がることで変化が楽しめます。

ただし一部のグランレゼルバのリオハは酒質も強く、香りも豊潤ですので16度ではもったいないですね。

この場合は18~20度くらいで、できればデカンタージュをして20分ほど待ってみましょう。

開いたリオハのグランレゼルバからは驚くほどの様々な香りをかんじられます。

 

リオハの赤ワインは肉料理との相性はもちろん良く、特に子羊のグリルやシチューなどが相性良くなっています。

美味しい塩コショウとハーブで風味をつけたラムチョップをかぶりつき、口に広がる風味に合わせたリオハは、いかにも食欲をそそる気がしませんか?

他にもチーズやデザートなどと共に食後や食前にも楽しめます。

白ワインは樽の風味と酸化熟成から生まれる複雑さと若干のスパイシーさもありますので、例えばサフラン風味のパエリアにも合わせやすいでしょう。