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リュイナール シャンパーニュとは?その特徴と歴史

リュイナールシャンパーニュ地方で最も歴史のあるワイナリーで、1729年にランスに創立されて以降、その伝統を守り続けています。

 

リュイナールは、ベネディクト派修道会の高僧ドン・ティエリー・リュイナールにちなみます。

シャンパン造りといえばドンペリニョンが有名ですが、実はドンペリニョンを手助けした有名なひとがそのドン・ティエリー・リュイナールなのです。

その時代きっての博学家であり、文筆家であり、もともとはパリに住んでいたのですが、ドンペリニョンのオーヴィレール寺院を訪れて毎年収穫期まで居座るのが恒例でした。

旅の中で宮中では泡の出るワインが珍重されていることを知り、いち早くシャンパーニュづくりに着目して研究を進めます。

そうして彼は、ドンペリニョンとともにシャンパーニュづくりの方法を確立し、その製法は甥のニコライに引き継ぎます。

その後、ニコライによって創立されたのが、現在まで続くリュイナールなのです。

リュイナール

洞窟利用の考案者

リュイナールはワインの熟成に古代ローマ人が作った「クレイエル」という地下洞窟を利用しています。

深度30mを超える地下洞窟は水分をため込みやすいチョーク質で湿度はおよそ85%、気温12度で安定していて、ワインの熟成には最適な環境となっています。

この地下ワインセラーで長期間熟成されたシャンパーニュはきめの細かい高品質な泡立ちになるという特徴を持っています。

ランス市の地下を縦横に走る洞窟はローマ時代からのもので、これをシャンパンメーカー各社は利用しているのですが、これを考案したのはリュイナール社だとされています。

 

もっとも、知られているということが悪い方向に向くこともあり、第一大戦のころにこの洞窟は大いに活用されます。

第二次大戦のときにも略奪の的になり、その史実から現在では日本でいう重要文化財のような扱いを受け、国に指定されています。

 

 

ワインの特徴

リュイナールの自慢はシルリー村にある200年以上もまえから所有し続けているシャルドネ中心の畑です。

もっとも自社畑では生産量の二割にも満たないため大多数は契約農家から仕入れています。

 

コート・デ・ブランとモンターニュ・ド・ランスで栽培された最高級ブドウをさらに厳選してブレンドすることでシャルドネの味わいを巧みに引き出しています。

その味わいは、シャルドネの個性を完璧に表現しているとまで言われ、「シャルドネ・ハウス」や「シャンパーニュの宝石」といった異名で呼ばれることもあります。

ブランドブランはコートデブランのほかにシルリーの自社畑のブドウを使っています。

ブリュットのスタンダードNVはR de RUINARTで、ピノノワール、シャルドネ、ピノムニエをブレンドして造ります。

 

リュイナールのシャンパーニュは高価ですが品質に安定感があり、あまりケチをつける人を見かけません。

柔らかい口当たりと豊かな果実味、後味がまでさわやかですから品質に口うるさい人もうなずけるのでしょう。

繊細さを兼ね備えたシャルドネ種中心の丸みのあるフレッシュな味わいが特徴です。

 

ワイナリーの歴史

前述のように、このメゾンは1729年にニコライ・リュイナールによって設立されます。

元々は衣類の生地を扱う商人でしたがシャンパン好きの叔父の影響か、事の成り行きでシャンパン事業につきます。

ニコライの後継者のクロード・リュイナールが商才のあるひとで、シャンパン好きだったルイ15世がランス市の引き取りを便利にする法令を出したことをきっかけにエペルネからランスに本拠地を移します。

そしてナポレオン1世に取り入ってリュイナールのシャンパンを献上してその名前を売るのです。

タレイランやジョゼフィーヌもこのワインを好んでいたと伝えられており、ウィーン会議の時にも連日客人たちにふるまわれていました。

 

また19世紀になると単に事業を広めるだけでなく、アメリカにもわたってホワイトハウスを訪問して大統領であったアンドリュージャクソンに献上しています。

 

第二時代戦後に事業を急拡大させ、ベルトラントミュールが社長の時に売り上げを4倍にします。

ベルトラントミュールはリュイナールを経営する傍ら映画のプロデューサーをしたり、カンヌの新埠頭の建設を手掛けるなどの名経営者だったのです。

 

元々が名家のシャンパンのため、品質は特に上流階級に知れ渡り、戦後に販売提携をしていたのはムートンロートシルトのバロン・フィリップだったというのが驚きです。

(1963年にリュイナール社がモエグループに入ったことによってこの関係は解消されます)

 

現在のフランス大統領亭のパーティでも同じように、国賓に対してこのワインがだされています。

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