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サッシカイア ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

ボルゲーリ サッシカイア(BOLGHERI SASSICAIA)は、トスカーナ州のボルゲーリで生産される、DOCワインです。

「イタリアワインの至宝」ともよばれ、現在でも多くのトスカーナワイン(どころか世界中に)に大きな影響を与えています。

サッシカイアは単一のワイナリーに認められたDOCで、テヌータサングイドのモノポールです。

1980年代までの長らく、イタリアワインは悪い表現をすれば「おらが村のワイン」を大事に育てる傾向がありました。

サンジョベーゼネッビオーロなどのイタリア固有の品種にこだわり、栽培方法や醸造方法、もっと言えば流通経路にまで保守的なワインビジネスを展開していたといってもいいかもしれません。

 

そこにさっそうと現れたサッシカイアは世界中のワインファンを驚かせます。

それまでの伝統的なワイン造りの中にボルドースタイルのブドウ品種と醸造手段を取り入れ、そして経済的に大成功を収めるのです。

 

ただし、”伝統的な”とはいっても実態は時代遅れで保身主義の当時のワイナリーの運営姿勢があり、疑問を持った層の自律反発もあったのです。
 
初めのうちは怪訝そうに見つめていたほかのワイナリーのオーナーも、次第に見ていられなくなります。
 
見ていられなくなるとは、つまり自分も当事者になってワインを造り、世界にうってでたい、ということです。
 

そしてサッシカイアに続き、規定にこだわらず世界のユーザーに求められる赤ワインの生産に踏み切るのです。
 

これがスーパートスカーナの始まりなのです。

 

 

ボルゲーリ サッシカイア

イタリアワインの異端児?

サッシカイアは、濃い色調と豊かでしなやかな渋み、生き生きとした果実味と調和のとれた酸味のワインです。

イタリアのワインは総じて開くまでに時間がかかり、トスカーナのワインもリリースしたては堅く、飲み頃になるまで5年かかることもざらにあります。

しかしサッシカイアは流通した段階でおいしさを十分に感じることができ、熟成期間の長さにとらわれず、ワインの良さを楽しめるという特徴があります。

もちろんボルドーワイン同様熟成にも耐え、20年程度熟成させて飲むこともできます。

 

このワインの生産地はマレンマと呼ばれる、砂質、石灰質、粘土質の土壌が入り組んだ、温暖な地域にあります。

日中は、日差しが強く暖かくなりますが、夜になると海からの風もあり冷え込みます。

この温度差によって果実は糖度を高め、ワインづくりに適したものとなります。

また、この地域の畑は、3か所に点在しているという特徴があります。

それには、ブドウの生育に特に適した場所を厳選しているから、という理由があります。

 

1978年のブラインドテイスティング

サッシカイアが世界のワイン界を震撼させた出来事は、1978年に起こります。

英国の有名ワイン雑誌、デカンター誌がロンドンで有名ボルドーワインのブラインドテイスティング(銘柄をふせて試飲する)のテストをしたのです。

審査員は当時のワイン界のトップ数名で、これは1976年に行われたカリフォルニアワインとフランスワインブラインドテイスティングのイベント(パリスの審判と呼ばれている)に対抗したものです。

ルールは、ボルドーの著名ワインをいくつかのヴィンテージに分類し、ヴィンテージごとの順位と点数を競わせるものです。

このテストでは、大体の結果は1855年メドック格付けに合わせたものだったのですが、一つだけソシアンドマレという当時は全くの無名のシャトーが一つのヴィンテージでトップに選ばれ、話題となります。

 

そしてもう一つ、雑誌社からすれば何とか話題が欲しかったのか、ブラインドテストの中に一つだけイタリアワインをしのばせたのです。

それがサッシカイアで、なんとすべてのワインの中でトップになり、これが世界の話題をかっさらうのです。

 

当時のワイン界はフランス一強で、ほかの国ワインは亜流とされていた風潮でした。

なかには審査そのものや審査員に非難をするメディアまで登場し、受け入れることのできない石頭の親爺ジャーナリストは黙殺をするまでのショックぶりだったのです。

しかし事実は事実として冷静に受け止めようとする業界の理性はそれを上回ります。

しばらくしてサッシカイアは世界の極上ワインの仲間入りを果たすのです。

 

 

ブドウ品種

サッシカイアの醸造には、カベルネソーヴィニヨンを使います。

生産がイタリアにもかかわらず、原産地がフランスのブドウ品種を使っているのは、かつてのこの土地のオーナーの決断によります。

マリオ・インチーザ侯爵が、イタリア土着種のサンジョベーゼよりもフランスのボルドータイプのワインを好んでいて、所有する畑にはカベルネソーヴィニヨンがきっと合うと確信して植樹したのです。

侯爵は、1944年にラフィットロートシルトのオーナーからカベルネ・ソーヴィニヨンの苗を手に入れ、自家用のワインを作り始めます。

それ以来、この地では良質なボルドータイプのワインが作り続けられています。

 

 

スーパートスカーナのはしり

サッシカイアが販売された直後は、カベルネ・ソーヴィニヨン主体のワインは、DOCGを名乗ることができず、最下層のランクのVINO da TAVOLAとして扱われました。

このクラスは要するにテーブルワインの区分で、乱暴な言い方をすればスーパーで売っている最低価格のワインと並列の扱いだったのです。

しかし、当時からそのクオリティはずば抜けたものであったため、トスカーナの規定を超越したという意味を込めて、「スーパートスカーナ」という呼び名がつけられました。

1990年代にはその名声は確固たるものになり、世界のワインファンの垂涎の的となります。

 

「サッシカイアができるんだったら、俺たちもできるだろう」

そう思った近隣のブドウ園オーナーは、サッシカイアに続きボルドースタイルのワインをリリースし、大成功します。

今では当たり前になったトスカーナのボルドースタイルワインは、サッシカイアの冒険的な試みから始まったのです。

サッシカイアは現在に至るまで存在感を保ち続け、1994年にDOCへと昇格を果たすのです。

 

合わせる料理

サッシカイアは世界でも有数のカベルネソーヴィニヨンの良さを引き出したワインです。

とはいえ、若干ボルドーよりも酸味が柔らかく、そのため熟成が早く進む傾向にあります。

世界中の注目のワインなので、できればご家庭よりもレストランでしっかりとサービスを受けたいワインといえます。

ソムリエにはデカンタージュを申し出ましょう。

 

トスカーナの料理であればピーチという太い手打ちパスタにイノシシ肉のラグーソース↑などが最高のマリアージュでしょう。

レストランのシェフが腕によりをかけた料理が似合いますが、サッシカイアのミネラル感はジビエの料理とも合わせやすいです。

たとえばシカ肉をじっくりローストし、現代的に仕上げた料理があれば、迷わず合わせたいですね。

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