ワイン用語集フランスワインボルドー地方

ソーテルヌ ワインとは?特徴とブドウ品種、歴史

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ソーテルヌ(SAUTERNE)は、ボルドーの南東の地区で、ガロンヌ川の左岸に位置します。

世界最高の甘口ワインである貴腐ワインの産地としても知られており、貴腐ワインの最高峰でもあるシャトー・ディケムの産地でもあります。

英語圏ではソターンと発音することもあり、この響きがいいらしく、フランス産ワインの中でも早くから人気化した歴史があります。

 

ボルドーとブルゴーニュで競うとき、辛口白ワインについて言えば、完全にブルゴーニュの圧勝です。

もちろんボルドーにも素晴らしい辛口白ワインもありますが、数は少ないし、赤ワインに比べると影は薄いのです。

ところが甘口ワインとなるとボルドーの独壇場で、この手のものをブルゴーニュが造っていないということもありますが、これだけ特殊で優れた白ワインは世界を見渡してみても数は少ないです。

 

ソーテルヌハンガリートカイアスーエッセンシア、ドイツのトロッケンベーレンアウスレーゼ(TBA)とともに世界の三大貴腐ワインとして知られます。

ソーテルヌ

世界最高の貴腐葡萄の産地

ソーテルヌ地区は、支流のシロン川を挟んでソーテルヌとバルザックなど5つの村が広がっており、この2つの地区を合わせてソーテルヌと名乗ることができます。

この地区は貴腐ワインの生産に非常に適した気候となっているため、世界でも最良質の貴腐ワインが生産されています。

 

シロン川は水温が低いのですが、ガロンヌ川が暖かいため、2つの川が合流する地点では朝霧が発生します。

この霧がブドウ畑を覆いますが、午後には太陽によって畑が温まるため貴腐菌(ボトリティスシネレア)が発生して貴腐ブドウが育ちます。

セミヨンソーヴィニョンブランは果皮が薄く、そのため果皮に付着した貴腐菌は細かい無数の穴をあけ、そこから水分が蒸散して糖分が高まります。

糖分が高まるのと同時に貴腐菌独特の風味と香り、味わいではトロッとした風味のグルコン酸を生成します。

この貴腐ブドウが育つ気候は世界でも少ないため、希少価値の高いワインなのです。

 

希少価値とはいっても、その他の貴腐ワインに比べれば生産量は多く、ハンガリートカイドイツのTBAなどはもっと量は少ないのです。

その中にあってはソーテルヌは品質にずば抜けたものも多く、さらに世界中に輸出できるほどの量を生み出しているところがまさに快挙といえます。

 

ソーテルヌのブドウ品種

ソーテルヌでは貴腐ワイン造りに向いた皮の薄いセミヨンソーヴィニヨンブランが主体となっています。

貴腐ワインと言えば非常に甘口のデザートワインとして知られていますが、この地区の貴腐ワインは甘さだけではない果実味や酸味も感じられる複雑な貴腐ワインです。

 

また、5つの村の内、バルザック(BARSAC)は独自のAOCがあります。

AOCバルザックかAOCソーテルヌのどちらも名乗ることができますが、一般的にはバルザックを名乗ることの方が多いようです。

ソーテルヌのほうが大きなエリアのAOCで、通常は小さなAOCのほうが品質が高いとされていますが、ソーテルヌのほうが知名度が圧倒的なため、生産者は複雑な思いかもしれません。

 

唯一無二の存在 ディケム

ソーテルヌの代表ともいえるシャトー・ディケムは、アメリカの初代大統領であるジョージ・ワシントンも愛したワインとして知られています。

これは実際に味わうとわかりますが、シャトーディケムの完成度はほかのソーテルヌのシャトーとはまるっきり違い、ダントツの存在であることが体感できます。

 

ソーテルヌは、ワイン造りに関しては中世から行われており、ボルドーの中でも古い歴史を誇ります。

1855年にナポレオン3世によってソーテルヌの格付けが行われ、それ以降この格付けは現在でも変わっていません。