公開日 2023年6月15日 最終更新日 2023年7月16日

ソムリエ試験のみならず、資格試験を受験する方にとって難易度は最も気になる点でしょう。
実際に検索エンジンで「ソムリエ試験」と入力すると、予測で「ソムリエ試験 難易度」や「ソムリエ試験 合格率」「ソムリエ試験 勉強時間」などといったワードが表示されます。
これは多くの受験生がソムリエ試験の難易度について強い関心を持っており、合格率や勉強時間によって難易度を測ろうとしているということです。
たしかに合格率が低い試験、必要な勉強時間が長い試験の方が難易度は高いと考えられます。
そこで今回はソムリエ試験の難易度について、合格率や2022年に実際に受験した私が受験生時代にかけていた勉強時間をご紹介させていただきます。
また、勉強方法についても紹介させていただきますので、本記事を読んでいただくことで、ソムリエ試験合格への道筋が見えてくることかと思います。
【WBS別館】
このサイトは、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験に役立つ情報をできる限り丁寧に、わかりやすく解説しています。
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ソムリエ試験の難易度
具体的な受験者と合格者、合格率
まずは客観的なデータから難易度を探りましょう。
下の表は直近のソムリエ・ワインエキスパート試験の試験の受験者と合格者、合格率です。
■受験者数
ソムリエ | ワインエキスパート | |
2016 | 5,712 | 3,238 |
2017 | 5,520 | 3,174 |
2018 | 5,233 | 3,214 |
2019 | 4,534 | 3,249 |
2020 | 4,316 | 3,213 |
2021 | 4,517 | 3,490 |
2022 | 3,766 | 3,469 |
ソムリエは近年やや受験生が減少傾向にありますが、ワインエキスパートはやや増加しています。
■合格者数
ソムリエ | ワインエキスパート | |
2016 | 1,658 | 1,238 |
2017 | 1,299 | 1,051 |
2018 | 1,389 | 1,054 |
2019 | 1,353 | 1,437 |
2020 | 1,634 | 1,390 |
2021 | 1,901 | 1,421 |
2022 | 1,132 | 1,143 |
ソムリエの方が年によってバラつきがある印象がありますね。
■合格率
ソムリエ | ワインエキスパート | |
2016 | 29.0% | 38.2% |
2017 | 23.5% | 33.1% |
2018 | 26.5% | 32.8% |
2019 | 29.8% | 44.2% |
2020 | 37.9% | 43.3% |
2021 | 42.1% | 40.7% |
2022 | 30.1% | 32.9% |
以上の表から、ソムリエ・ワインエキスパート試験の合格率はおおむね30~40%で推移しており、筆記試験の難易度に差はありませんが、ややソムリエ試験の方が合格率が低い傾向があります。
分かりやすい例えかは分かりませんが、日商簿記2級の合格率が約20%、3級の合格率が約40%台ですので、簿記の2級よりは簡単で3級よりやや難しい程度と言えるでしょう。
3人に1人しか受からないというのは一般的にはやや難しい印象かもしれませんね。
実際に受験をした肌感覚の難易度
ソムリエ試験を受験した私の肌感覚の難易度では、全体的にやや難しいという感覚ですが、一次、二次、三次と難易度に大きく差がある印象でした。
ここではかかった勉強時間=難易度と仮定すると、やはり一次試験が最も難しいです。そしてかなり差が開いて二次試験はやや簡単くらい、三次は簡単。というイメージでした。
勉強時間の比率は一次試験が7、二次試験が2、三次試験が1くらいです。
ただしこれはあくまで勉強時間のみにフォーカスした難易度で、それぞれ異なる難しさがあります。
一次試験は学生時代の入学試験や定期試験などにもあるような筆記試験で、多くの方が経験されたことがあるような試験です。
しかし、二次試験や三次試験は経験をすることが少ないブラインドテイスティングと実技です。
人の味覚や嗅覚はその時の心境や状況によって大きく影響を受けるものです。
私も試験までにたくさんワインをテイスティングして勉強したつもりでした。
しかし、試験会場は普段の自宅の部屋などではなく、来たこともないホテルの広間などでブラインドテイスティングというほとんど経験しないような方法でワインをテイスティングしなければなりません。
さらには、試験当日の緊張感もあり、飲みなれたような品種や産地のワインが出されたとしても異なる香りや味に感じてしまいます。
三次試験の実技においても、ワインの抜栓はたくさんされているかもしれませんが、勤務されている店によってはパニエでの抜栓やデキャンタージュはほとんどされないという方もいらっしゃるかと思います。
そういった慣れない環境で慣れないことをするという練習をしなければならないという点が二次、三次試験の難しさでもあります。
合格者の勉強時間
では、実際に合格者はどのくらいの勉強時間を使うのでしょうか。
検索エンジンで「ソムリエ試験 勉強時間」と検索すると400時間程度という情報が多く見受けられます。
WBSでも200~400時間程度とご紹介しています。
中には80時間程度や1か月で合格!などという記事もあります。
「どれを信用すればいいんだ!!」
と言いたくなりますが、これは当然ですが勉強開始前のそのひとの素地が大きく影響していると思います。
既に長年ワインバーやレストランで勤務されている方であれば元々それなりにワインの知識があるでしょうし、普通の酒販店などで3年勤務したばかりの人では明らかに知識量に差があります。(ちなみに私は後者でした笑)
ですので初学者という前提で考えるのであれば、一般的には年明け1月頃から勉強を始められて、1日2時間程度勉強時間を取る方が多いと思います。
2時間の勉強を1月から7月まで(7か月なので210日)毎日行ったとすれば、
2×210=420
となり、やはり多めに見て、400時間程度は勉強時間が必要と言えそうです。
合格者の勉強方法
ソムリエ試験の勉強方法とネットで検索をするとあまりに多くの情報が出てきますが、結局は「教本を読む」ことが最も重要です。
一次試験は全て教本から出題されますので、極端な話教本を全て丸暗記することができれば100点で合格することができます。
しかし、ソムリエ試験を申し込んで教本を受け取った方であればお分かりかと思いますが、あんな分厚い本を全て覚えることなどできるわけがありません。。。
そこで私が教本を読み込む前に意識していたのは「情報を切り捨てる」ということです。
試験では教本の全ての範囲から満遍なく出題されるわけではなく、やはりフランスやイタリアなど主要産地が出題されやすかったり、モルドバなどマイナー産地は出ても1~2問程度です。
ですので教本を読み込む前にどこが出題されやすい重要論点なのかを絞り込むことが大切です。
そのために私は
・ワインブックススクール(WBS)
・参考書
この2つを利用していました。
WBSや参考書は重要度の低い箇所は省略されていることもあり、教本で学習するよりもスピード感があります。
さらにWBSや参考書で学習してから教本を読むと、そうでない時と比べて教本の理解のしやすさが格段に変わります。
受験料や書籍代はかかるかもしれませんが、その価値は十分にあると思います。
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験に向いている人
難易度を計る際に、当たり前ですが絶対的な難易度とともに相対的な難易度も存在します。
合格率や合格点は絶対的な数値ではありますが、あなた自身がこの試験に向いているかどうかは絶対的なものではないからです。
まず、試験に向いている人は例外なく「最初に全体像を把握する人」に尽きます。
まず最初に試験の全体像と勉強の方向性を定めて、そのうえで微調整をしながら長丁場の試験勉強を走る。これができる人は非常に高い確率で合格します。
ソムリエ試験にせよワインエキスパート試験にせよ、合格率は30~40%なので、努力が報われる試験です。
合格率が10%をきるような試験の場合は出題の運不運もあるでしょうし、相性の問題も大きくかかわってくるはずですが、現状のこの試験はまだそこまで難易度ではありません。
これについてはセンスもありますが、ネットでしっかりと試験勉強の前に情報収集することで対応は可能でしょう。
ソムリエ試験・ワインエキスパート試験に向いていない人
逆にどれだけ本人に資質があって、努力もできる人であっても、そもそもの「努力の方向性」が間違っている場合は不合格の可能性が高いです。
何も下調べをしないでただ「努力すればいい」「頑張った結果合格できればいい」というスタンスで勉強している人はこの試験はもちろん、あらゆる試験に向いていません。
スタンスそのものが試験に向いていないので、頑張れば頑張っただけ明後日の方向に行ってしまい、気づいたときには修正ができないほど月日が経ってしまったなんてこともあります。
試験なので受験の目的は当然合格です。
にもかかわらず努力や勉強そものもが目的化している人は、いちど試験勉強そのものを見直してみたほうがいいかもしれません。
まとめ ソムリエ試験を受験したメリット・おすすめ
私がソムリエ試験を受験して感じたメリットは大きく分けて
・仕事に活かせる
・プライベートでのワインライフが豊かになる
この2つが挙げられます。
私は酒販店に勤務していますが、接客などをしているわけではなく、ワインの仕入れや商品手配などの業務をしています。
そういった職場でも、仕入れるワインのA.O.C.などの情報などを素早く理解できるようになったりと大きなアドバンテージになっています。
プライベートでも例えばレストランに行った際にワイン選びで迷うことも少なくなりましたし、以前よりも食事を楽しめるようになりました。
あと、箇条書きでは書きませんでしたが、職場によっては資格手当がもらえます笑(正直これが一番大きいという人も多いかもしれません笑)
ソムリエ・ワインエキスパート試験は決して易しいものではなく、勉強時間もかかりますが、間違いなく取って損はない資格です。
この記事がこれから受験される方の一助となれば幸いです。
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