サン シニアン(SAINT-CHINIAN)は、南フランスのラングドック・ルーション地方に位置しているワイン産地です。
東のフォジェールと西のミネルヴォワに挟まれている産地であり、ベジエの町の北に広がっています。
畑は海側に向かって開けた丘の斜面や、段々畑に広がっており、1年を通して比較的温暖な地中海性気候です。
サン シニアンの土壌は、北側と南側で構成が変わります。北側は片岩質が中心であり、南側は粘土と石灰質が混じっています。
3000ヘクタールほどの栽培面積で、年間12万ヘクトリットルほどの生産量です。
もっとも日本でも紹介されてもいいワインかと思いますが、よほどのことがない限りワインショップでも見かけません。
サンシニアン
ワインの全体像
サン シニアンでは赤ワイン、白ワイン、ロゼワインが生産されています。
その中でも赤ワインの生産量が圧倒的で、生産量の9割程が赤ワインです。
比較的力強く長命な赤ワインを産出していますが、マセラシオン カルボニックを利用したフルーティーなタイプの赤ワインもあります。
栽培されている品種は、カリニャン、サンソー、シラー、グルナッシュや、グルナッシュブラン、マルサンヌ、ルーサンヌなどです。
サン シニアンのワインは国内消費されているものが多いですが、評価の高いワインが増えてきており、注目されています。
ワインの特徴
サン シニアンの特徴は、ラングドック地方において長いワイン造りの歴史をもつことです。
9世紀には最初の畑が開墾された言われており、14世紀ごろから評価が高まりました。
ベネディクト派の修道僧によって畑は開墾され、サン シニアンとは畑の近くにあるベネディクト派修道院が地名の由来になっています。
以前はコトー デュ ラングドックの名前でワインを生産していましたが、1982年にサン シニアンはAOCとして認定されました。2004年には白ワインの生産も認定されました。
また、2004年からは優良産地として、北部のベルルーとロックブルンはサンシニアンの後に表記することが出来るようになりました。
2010年からはサン シニアン ベルルーとサン シニアン ロックブルンはクリュ ド ラングドック、サンシニアンはグラン ヴァン ド ラングドックに認定され、高い評価を得ています。
飲み方のコツ
品質も高くコストパフォーマンスの良いワインですが、決して高級ワインではありません。
また、南フランス特有の酸味が丸く、柔らかい印象がありますので、冷やしすぎると味わいがぼやけてしまいます。
そのため赤であれば16度くらい、白とロゼで8~10度くらいで楽しむがちょうどいいでしょう。
グラスは高級なものでなくても構いません。
最近は100円均一のグラスも大変に品質が高いので、先がつぼまったグラスであればたいてい合わせられるでしょう。
お料理もあまり緊張して食べるレストランのシェフが作る料理よりも、リラックスしてワイワイ楽しめる気軽なものがいいでしょう。
赤ワインであればミートソースのパスタやハンバーグステーキ、軽めのチーズがいいでしょう。
白やロゼであれば気軽な魚介料理全般に合わせられますし、スパゲティヴォンゴレのような磯の香りのするお料理もいいでしょう。
パーティーでの乾杯、テラスでいただくグラスワインとしては最高のワインと言えるでしょう。