ワインはそれぞれ適切なサービス温度があって、それがおいしさに決定的な影響を与えます。
グラス選びや環境がどれだけよくてもサービスするとき(あるいはご家庭であれば飲むとき)の温度が適切でないと、ワインの味わいはひどいものになってしまいます。
そのため、ソムリエであればワインについて最も注意すべきはサービスするときの温度であって、これはご家庭であっても同様でしょう。
ここでは、ワインを美味しい飲み方として、適切なサービス温度をご紹介します。
Contents
ワインのサービス温度
口にするときの温度
ソムリエ試験でもワインの提供温度は極めて重要だと解説がありますが、これはその通りです。
どれだけ高価なワインでも適切な温度で飲まないと全く魅力を感じませんし、廉価なワインであってもしっかりと温度を管理してサービスすれば魅力を最大限に引き出すことができます。
ワインのサービス温度は、一般的には通説が出来上がっていて、
シャンパーニュやそのほかのスパークリングワイン、甘口ワインは6~8度
ロゼワインや辛口白ワインは8~12度
軽めの赤ワインは12~14度
重めの赤ワインは15度~18度
となっています。これは↑の図を基に解説していますが、ほとんどのワイン教本では大差がなく紹介されています。
そしてこの温度とは、最終的に口するときの温度ですので、管理するときの温度とは違いますので注意しましょう。
何故赤ワインのほうが高めの温度なの?
全てのワインのガイドブックでは必ず白ワインよりも赤ワインのほうがサービス温度を高めに紹介しています。
赤ワインが白ワインよりも高めに飲むのは、赤ワインに含まれる渋みのもととなるタンニンの存在がポイントとなります。
タンニンは温度が低いとざらざらした舌触りになり、滑らかさを失います。
とくに高級ワインになると、赤ワインはタンニンの溶け込み具合がワインの評価に大きな影響を与えるため、低めの温度ではせっかくのワインが台無しになってしまいます。
赤ワインの中でも重めの赤ワインよりも軽めの赤ワインのほうが温度を低めにします。
一般的には、軽めの赤ワインはタンニンの含有量も少ないので、サービス温度が低めに設定されているのです。
冷やすといっても限界がある
白ワインは、6~8度に紹介されていますが、これ以上に低くしてしまうとワインの魅力は引き出せません。
ワインは味わいよりもまえに香りで楽しむものなので、温度が低いと香りが広がらないのです。
夏場などは3~4度にガンガンに冷やしたほうがおいしそうなイメージがありますが、やや本道とは外れた楽しみ方といえます。
この場合は白ワインも高価なものは選ばずに、例えば気を遣わずに楽しめるロゼやスパークリングワインなどで楽しむのがいいかもしれません。
一口目から2~4度温度は上昇する
ソムリエさんやワインファンからすると上の図は「若干冷え気味じゃあないか」と思われるかもしれません。
例えば重めのワインであれば18~20度と解説するところもあって、15~18度は明らかに低めに設定されています。
しかし、人間にとって快適な気温は22~23度なので、時間の経過とともにグラスのワインの温度は2~4度上昇します。
そのため最初の一口目はきりっと感じ、徐々に温度の上昇とともに和らいでいくという計算で行くと、やや冷やし気味でも問題ありません。
温度が高すぎた場合
では、ご家庭やレストランで、サービス温度が高すぎてしまった場合はどうすればいいでしょうか?
例えばミュスカデを12度で提供すればシャープなミュスカデの魅力は半減してしまいます。
ボルドーのいいワインであっても常温で置いておけばやはりぼやけた味わいになるでしょう。
ただし、温度が高い場合はすぐに解決します。
温度が高い場合は、氷水で冷やすことで一気に解消することが可能なのです。
もっとも、急冷するとワインの液体間で温度差があるため、温度の平均化の目的でデカンタージュするべきかもしれません。
温度が低すぎた場合
温度が高すぎた場合に比べて温度が低すぎた場合は悲惨です。
ワインを温めるわけにはいきませんし、自然に温度が上昇するのを待つしかないからです。
しかし、例えば6度にした赤ワインを18度まで待つというのは何十分もかかるでしょう。
特にレストランのソムリエさんであればお客さんのイライラを肌で感じる時間はその何倍にも感じるかもしれません。
冷やしすぎの場合には、これといった打開策はありませんが、苦肉の策としてデカンタージュをするという方法もあります。
デカンタージュをすることで2度ほど上昇が望めますし、デカンタの形状によっては表面積がおおきく、温度変化がボトルよりも大きいということもあるかもしれません。
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