ワイン用語集フランスワインボルドーのシャトーボルドー地方生産者

シャトートロットヴィエイユとは?その特徴と歴史

シャトートロットヴィエイユ(CHATEAU TROTTE VIEILLE)は、1996年の見直しでサンテミリオンの第1特別級Bに格付けされました。

メドック第2級に匹敵する価格帯で、栽培面積は10ヘクタールと意図的に規模を小さくして大量生産をしないため、入手困難な銘柄です。

 

各国に向けての輸出もコントロールされていて日本にもあまり入ってこないので幻のワインと呼ばれることもあります。

樹齢140年超のプレ・フィロキセラを所有していることでも知られています。

 

栽培品種はメルロ50パーセント、カルベネ・フラン45パーセント、カルベネ・ソーヴィニヨンが5パーセントです。

ラベルが黒の下地に金色の枠と文字で高級感があり、一目見れば忘れないほどのインパクトがあります。

このシャトーは品質が高く、評論家の評価もいいのですが、生産量が少なく日本ではほとんど見かけません。

後述する名前の由来がおかしく、お飲みになるときに

「どんな様子だったのだろう」

と思いをはせながらいただいてみるのはいかがでしょうか。

シャトートロットヴィエイユ

「威勢のいいおばあさん」のシャトー

このシャトーの歴史は古く、1453年当時の古い文書が残っています。

ガスコーニュ地方で使われていた言葉で、羊皮紙に記されていました。

ガスコーニュは13世紀には消滅してしまった領地名ですが、ボルドーもその一部だったのです。

 

トロットヴィエイユとはtrotte(トロット:小走り)+vieille(ヴィエイユ:老婆)で、“小走りのおばあさん”や”威勢のいいおばあさん”という意味です。

高級感のあるラベルにしては何て庶民的な名前だろうと思う人は多いと思います。

この名前の由来は諸説ありますが、その昔にこの辺りにあった旅籠屋に、くたびれて腹を空かせてくるお客に恐ろしく素早く食事を提供しているおばあさんがいた、とするのが有名です。

あなたの周りにもせわしなく動くおばあさんはいらっしゃるかもしれません。

しかし、その姿がまさか格付けシャトーの名前になるとは、よほどの早わざだったのでしょう。

 

この辺りはサンテミリオンの街からすこし離れていて、旅籠屋にたどり着くの頃にはお客は皆腹をすかせたはずです。

そんなお客に一刻も早く腹ごしらえをしてあげようと食事を急ぐ姿は、まさにトロットヴィエイユだったのです。

 

 

ワイナリーの歴史

1949年、ワイン商ボリー・マヌー社のマルセル・ボリーがトロットヴィエイユのワインを口にする機会を得ます。

(ちなみにボリー・マヌー家はメドックの名家で、バタイエやランシュムーサスを所有しています)

その一滴がその後の運命を変えました。

ワインを気に入ったマルセルはすぐにシャトーを訪れます。

石灰質の粘土層を赤色の砂利が覆っている畑を見たとき、シャトーの購入を即決するのです。

サンテミリオンではシャトー・トロットヴィエイユとシャトー・オーゾンヌだけに見られる、ブドウ栽培に適した土壌がそこにありました。

 

トロットヴィエイユはポテンシャルの高いシャトーでしたが、そのころは若干、低迷気味でもありました。

テロワール本来のよさを引き出すためマルセルは奮闘しました。

1961年、シャトーは義理の息子、エミール・カスティジャに引き継がれました。

 

1982年にはエミールの息子、フィリップが常務として、1990年にはCEOとして品質管理に手腕を発揮します。

1998年にはボルドー大学のドゥニ・ドュヴルデュー教授をコンサルタントに迎えています。

往時に比べて名声を失っていた感があったのですが、最近は畑から醸造所まで改良がおこなわれ、それが実を結んだため、評価を取り戻しています。

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