ワイン用語集フランスワインボルドー地方

シャトーヴァランドローとは?その特徴と歴史

2012年に第1特別級Bに格付けされたガレージワインです。

シャトー立ち上げからわずか20年余りでの快挙ということで、シンデレラワインと呼ばれることも。

キュヴェ、“アクセル”が2008年の洞爺湖サミットで使用されるなど、評価の高いシャトーです。

小規模ながら多種類のブドウを栽培しています。

赤ワイン用にはメルロ70パーセント、カルベネフラン20パーセント、カルベネソーヴィニヨン5パーセント。マルベック、カルメネールもそれぞれ少しずつ作っています。

白ワイン用にはソーヴィニヨンブラン50パーセント、セミヨン35パーセント、ソーヴィニヨングリが15パーセントです。

シャトーヴァランドロー

サンテミリオンのガレージワイン

1989年アルジェリア生まれのジャンリュックテュヌヴァンとその妻で、フランス南西部、リブルヌ出身のミュリエルアンドローが0.6ヘクタールほどの小さな土地を購入します。

サンテミリオンの丘とパヴィの丘に挟まれた谷(vale:ヴァル)だったので、vale+Andraud(アンドロー)、ヴァランドローと名付けたのです。

アンドローは妻、ミュリエルの姓。フランスでは結婚によって姓を変えることはありません。

複雑な手続きをすれば可能ですが通常、夫の姓は通称として使用することはあっても自身の名は永久不滅なのです。

ミュリエルの名を冠したのは長年にわたり自分を支えてくれた妻へ、ジャンからのプレゼントなのかもしれませんね。

 

ローティーンのときフランスにやってきたジャンは学業で優秀な成績を収めることもできず、卒業後も様々な職を転々としました。

なかなか収入も安定しないなか、看護助手をして助けてくれたのがミュリエルだったのです。

やがてジャンは喫茶コーナーが併設された土産物店をオープンします。

商材としてワインを扱うようになり、翌年にはワインバーへと改装するのです。このとき出資してくれたのがリブルヌの寄宿学校で親しくなったシャトーオーゾンヌの現オーナー、アランボーティエです。

ワイン造りに興味を覚えたジャンが購入したのがヴァランドロー。

トラクターを借り、小さな畑を懸命に耕しました。

手作業で除梗し、足で踏んで圧搾。

1991年、レンタルしたガレージでファーストヴィンテージが出来上がりました。このときも力になってくれたのがアランボーティエです。

 

その後、ジャンは意欲的にシャトーを拡張し、9ヘクタール弱になるのです。

 

 

ヴァランドローは、超のつく保守的なボルドーのワイン界において、ワイン界で圧倒的な影響力を持つ評論家たちに苦々しい思いをしていた人たちにはひどい攻撃をされました。
 
しかし、世界からワインの実力が認められるとそれらの旧勢力も認めざるを得ないようになり、風向きを変えたのです。
 
全くの旧来の生産者でもないし、軽視もされたし、無視もされた畑と醸造家が現代的醸造技術を駆使して上り詰めたその姿は、まさにシンデレラワインという名にふさわしいでしょう。
 

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