ワイン用語集フランスワインロワール地方

ヴーヴレ ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理


VOUVRAY(以下ヴ―ヴレ)は、ロワール河の中流域のトゥーレーヌ地区の一部で生産されるAOCです。

ヴ―ヴレ村を中心に8つの村で生産されており、ロワールを代表する優れた白ワインを生産しています。

この地方ならではの気候と土地柄を活かして甘口、辛口、貴腐、発泡ワインなど幅広い白ワインが生産しているのが特徴です。

ヴ―ヴレでは辛口を「セック」、甘口のワインや貴腐ワインを「リクオルー」または「モワルー」と呼びます。

甘口ワインは貴腐葡萄(ボトリティスシネレア)を含む糖度の高いワインとなっています。

 

栽培面積はスティルワインだけで1000ヘクタール、生産量は年産52000ヘクトリットルで、ムス―とペティヤンを合わせると8万ヘクトリットルに膨れ上がります(後述します)。

 

以前は甘口が多かったのですが、最近は特に輸出向けは辛口が大半です。

味わいはしっかりしていますが温和ででしゃばったところがなく、鋭いというところがありません。

この味わいが全体的に品の良さを感じさせ、ヴ―ヴレの特異性を際立たせているのです。

ロワールの白ワインで有名なのはやはりサンセールプイイフュメなどのソーヴィニヨンブランの辛口ワインとなるかもしれません。
 
しかし、ソーヴィニヨンブランはもはや世界の白ワインの代表と言ってもいいくらいどこでも見かけられるのに対して、シュナンブランはここがやはり質量ともに抜きんでた地域といえます。
 
ワインの紹介となると後回しにされがちですが、知っている人からすればいよいよヴ―ヴレのお出ましか、というところではないでしょうか。

 

ヴ―ヴレ

ブドウの品種

白ブドウ品種のシュナンブラン100%で造られています。

シュナンブランはカメレオンのような品種と称され、土壌や気候、醸造方法によってさまざまな特徴を持ちます。

この土地に関してはロワール河支流のシス川とブレンヌ川が合流する地点となるため、霧が発生しやすい特徴があります。

霧が発生しやすいということはイコール貴腐菌が発生しやすいということです。

そのためシュナンブラン種のみのブドウ品種で造られていますが、辛口も上質ですが甘口も評判が高いです(ただし手間がかかるため数件の生産者しかやっていない)。

 

また発泡ワインも造られており、ムスーやペティヤンが生産されています。

気候が涼しい年には辛口やムスー造りが盛んになり、温暖な年には甘口や貴腐ワインが多く生産されます。

 

前述のように、ヴ―ヴレではスティルワインや甘口ワイン以外にもムス―やペティヤンを生産していてちょっとした量なのですが、日本ではほとんど見かけません。
 
あまり知られていないのですが、ヴ―ヴレは以前はシャンパーニュを除くと有名なスパークリングワインの産地だったのです。
 
近年のようにシャンパーニュが大流行する前まではフランスでも結構消費されていて、現在のクレマンダルザスのように生産者も力を入れて造っていたのです。

 

もっとも、シャンパーニュほど高くは売れなかったので、言葉は悪いですが「貧乏人のシャンパーニュ」と冷やかされて観光地やカフェで日常的にぐいっとゲストの喉を潤していました。
 
日本でフランスワインが本格的に輸入されるようになった1990年代には、すでに下火になっていたので輸入されるには理由に乏しく、そのため見かけないのでしょう。

 

貧乏人のシャンパーニュと聞くと散々な気がしますが、(一部のシャンパーニュファンには申し訳ありませんが)ワインの質が高ければどうでもいいことでしょう。
 
品質は間違いなく高いので、ヴ―ヴレの発泡ワインを見かけたら逃す手はありません。

 
この辺りは土壌が変わっていて、中生代白亜紀の白亜質岩石(地元の人はテュッフォーと呼んでいる)がメインですが、その上にぺリューシュ(PERRUCHE)と呼ばれる粘土砂岩質大地が広がります。ちなみにぺリューシュはインコの意味です。

土質が複雑に入り組んでいるので、当然出色の畑は品質に表れやすく、そのためいくつかの畑は「クロ」と名付けられています。
 

ヴ―ヴレの特徴

辛口は残糖は少ないのですが果実味が強くミネラルを強く感じる口当たりです。

ヴ―ヴレの辛口は繊細で酸味がかわいらしく、アペリティフにもピッタリでしょう。

 

甘口は糖分を十分に感じ、若いうちはフルーティーなワインとなります。

甘味がある中でも、酸味もメリハリよく感じることが出来ます。

軽く飲みやすいため、普段ワインを飲まない人でも楽しめるワインでしょう。

若い内に飲むと柑橘系のフルーツの香りを楽しむことが出来、熟成させたものは蜂蜜やアプリコットの香りが楽しめます。

発泡ワインの場合は軽い口当たりと豊かな香りが特徴です。

12カ月以上の熟成が義務付けられており、シャンパーニュ地方と同じ瓶内二次発酵方式になっています。

発泡ワインの甘口は非常にみずみずしく、辛口は豊かさと強さがあり、違いを楽しむことが出来ます。

 

飲み方のコツ

ヴ―ヴレは、甘口と辛口でおいしい飲み方が若干変わってきます。

辛口は一般的なチューリップ型の先がつぼまったグラスで8度程度に冷やしてきりっと引き締まった味わいを楽しみたいですね。

一般的な辛口ワインよりも若干温度を上げたほうがヴ―ヴレの繊細な酸味を楽しめます。

一方、甘口ワインのほうは↑の画像と同様の白ワイングラスですと大きすぎます。

口の大きなグラスは口にワインが入る量が多くなり、これでは甘口ワインには不向きなのです。

少しずつを味わえるよう、小ぶりのグラスでぎゅっと詰まった甘味と果実味を楽しみましょう。

 

温度は8度程度で大丈夫です。

冷蔵庫(4度)で一晩冷やし、15分ほど室温におけばその程度の温度になります。

 

相性の良い料理

辛口は豊かな果実味と酸味があり、繊細なので魚介の中でも白身魚料理との相性が良くなっています。

前菜と合わせてもいいですし、メイン料理にも十分に合わせることができます。

現代の食生活は二極化し、どっしりとした重い風味の料理も重宝される一方、例えば魚や野菜料理などはどんどんライト化する傾向にあります。

ヴ―ヴレはライト化する現代人の食生活にもマッチしていて、そのような場合は日常的に楽しめるワインといえます。

爽やかな後味から、香辛料の効いたエスニック料理と合わせても良いでしょう。

甘口は糖分がスパイスの刺激を和らげる効果がありますので、ヴ―ヴレモワルーと合わせるのは面白い組み合わせです。

また食後にチーズと楽しむ場合は、ロワール名物のシェーブルチーズとも美味しく楽しむことが出来ます。

ご家庭であれば、特にヴ―ヴレの甘口はアプリコットのジャムや蜜のような香りがあり、上品な糖分を感じます。

やや冒険的ではありますが大学芋のねっとりとした甘みと合わせてみるのも面白いでしょう。

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