そのほか

ソムリエ二次試験 品種ごとの見分け方(白ワイン編)

こんにちは!今回はソムリエ二次試験の白ワインついてお話させていただきたいと思います。

 

ソムリエ試験の二次試験は一次試験ほど難関なものではありません。

しかしおよそ4人に1人は不合格となっており、さらにはテイスティングという学科とは異なり対策が難しい試験です。

 

そこで本記事ではソムリエ試験で出題される白ワインの全体像と、品種の見分け方をご紹介いたします。

品種は代表的なシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングの3つです。

 

本記事を読んでいただくことで、ソムリエ試験で出される白ワインの品種ごとの見分け方がぼんやりつかめるはずです。

 

 

【WBS別館】

このサイトは、ソムリエ試験・ワインエキスパート試験に役立つ情報をできる限り丁寧に、わかりやすく解説しています。

こちらの記事もご参考ください。

 

 

ソムリエ二次試験 白ワインの見分け方

ソムリエ二次試験の白ワインの過去問

まずは次のデータをご覧ください。

過去5年間のソムリエ・ワインエキスパート試験で出題された白ワインの品種です。

 

2022年ソムリエ

シャルドネ

リースリング

 

2022年ワインエキスパート

ソーヴィニヨン・ブラン

甲州

 

2021年ソムリエ

シャルドネ

 

2021年ワインエキスパート

リースリング

ヴィオニエ

 

2020年ソムリエ

ソーヴィニヨン・ブラン

シャルドネ

 

2020年ワインエキスパート

トロンテス

シャルドネ

 

2019年ソムリエ

アリゴテ

 

2019年ワインエキスパート

ソーヴィニヨン・ブラン

甲州

 

2018年ソムリエ

トロンテス

リースリング

 

2018年

ワインエキスパート

リースリング

シャルドネ

 

 

出題側は何を求めているのか?

ご覧の通りシャルドネ、ソーヴィニヨン・ブラン、リースリングといった代表的な3品種の出題がほぼ毎回あることが読み取れます。

18問出題されていますが、そのうち3品種は12問出題されています。

3問中2問はこの3品種から出題されていることになります。

 

だからといって3品種しか対策しないのは危険ですが、ソムリエ協会としては白ワイン品種は代表的な3品種をきちんと判別できる能力を受験生に求めているということが読み取れるでしょう。

 

では具体的に白ワイン品種をどのように見分けて行くのかを解説していきたいと思います。

 

まず個別の品種を見分ける前に、「ニュートラル品種」か「アロマティック品種」かを見分けましょう。

アロマティック品種とはワインにしたときに香り(ブドウ由来の第一アロマ)が強く出る品種です。

ソーヴィニヨン・ブランやリースリングが代表例です。

 

対してニュートラル品種とは、ワインにしたときの香りが穏やかな品種です。

シャルドネが代表例で、甲州やミュスカデなども出題が予想されます。

 

試験本番では、白ワインが出題された場合、香りをとり香りの立ち上がり方からアロマティックかニュートラルかを見極めてください。

このアロマティック品種とニュートラル品種を見分けることで、その後品種の予想もしやすくなるだけでなく、試験で大きく間違える危険性も下がります。

 

大きく間違えにくくなるとはどういう事かと言いますと、例えばソーヴィニヨン・ブランが出題されたとします。

香りが強く立ち上がっていたので、アロマティック品種と判別はできたが、リースリングと答えてしまったとしましょう。

品種の点は入りませんが、同じアロマティック品種であれば、他のコメントは似通ったものになりますので、香りや味わいのコメントでは得点は落としにくいです。

 

例として、香りの第一印象の項目で「華やかな、力強い」とコメントしたとしましょう。

これはリースリングでもソーヴィニヨン・ブランでも正解になりやすいコメントです。

これがニュートラル品種のシャルドネと考え、香りの第一印象を「控えめ、チャーミングな」などと回答すると、ソーヴィニヨン・ブランのコメントとは大きくかけ離れるため大きく得点を落とすことになります。

 

ですので、いきなり品種を当てにいくのではなく、まずはアロマティック品種かニュートラル品種かを見極めるようにしてください。

 

シャルドネの見分け方

ここからは個別の品種を見分ける方法をお伝えいたします。

前項でお伝えした方法でニュートラル品種だと判断した場合に真っ先に思い浮かべるのがシャルドネです。

ただしシャルドネはステンレスタンク熟成のタイプと樽熟成のタイプ両方が出題される可能性があります。

 

まずニュートラル品種でステンレスタンク熟成のタイプだった場合、考えられる選択肢はシャブリなどのシャルドネ、甲州、ミュスカデです。

これらの3品種は消去法で判別しましょう。

甲州はグリブドウと呼ばれる品種ですので、出来上がるワインもグレーグリーンという特徴的な色があります。

また、ミュスカデと甲州の多くはシュール・リーを行うことが多いので(特に試験に出題されるミュスカデはほぼシュール・リーと考えられます)、ニュートラル品種のステンレスタンク熟成のタイプでグレーグリーンの色合いもシュール・リーの香りも無ければシャルドネという結論に導くことができます。

 

樽熟成のタイプだった場合はほとんどシャルドネと回答して良さそうですが、過去5年間でアリゴテが出題されています。

アリゴテも樽熟成をするワインが多いですが、シャルドネよりも粘性やアルコール度数が低く、スッキリ爽やかなワインに仕上がることが多いです。

また樽熟成のシャルドネでもカリフォルニアなどニューワールドのものはさらにアルコール度数が高くなりやすいので、ニュートラル品種で樽熟成のタイプだった場合は粘性やアルコール度数を意識してみてください。

 

ソーヴィニヨン・ブランの見分け方

アロマティック品種が出題された場合にまず選択肢に入るのがソーヴィニヨン・ブランです。

 

ソーヴィニヨン・ブランというと爽やかな草のような香りを思い浮かべる方が多いと思います。

たしかに草のような香りがあるワインが多いですが、それは特にニュージーランドなどニューワールドのワインに特徴的です。

ニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランを意識して、例えばロワールのソーヴィニヨン・ブランを飲むと意外と草のような香りを見落としてしまう恐れもあります。

ですのでアロマティックだけど、草の香りは弱いからソーヴィニヨン・ブランではないと急いで結論付けるのは危険です。

 

アロマティック品種で出題される可能性があるとすれば、リースリング、ヴィオニエ、ゲヴュルツトラミネール、トロンテスなどがあります。

 

これらを見分けるためには「酸味」がキーポイントになります。

爽やかで力強い酸味があった場合、選択肢はソーヴィニヨン・ブランかリースリングに絞れるかと思います。

 

試しに機会があればヴィオニエやゲヴュルツトラミネール、トロンテスのワインを飲んでみてください。

非常に酸味が穏やかなことに気づけるかと思います。

 

リースリングと見分けるポイントはやはり香りになります。

リースリングであれば全てではありませんが、ペトロールと言われる石油のような香りがあったり、花のような香りがソーヴィニヨン・ブランよりも強く感じられるはずです。

また、ソーヴィニヨン・ブランであれば草の香りや、ニュージーランドなどのワインであればパッションフルーツのような溌剌とした果実の香りも感じられるかと思います。

 

リースリングの見分け方

リースリングの見分け方はほとんど上のソーヴィニヨン・ブランと同様です。

しかし、ソーヴィニヨン・ブランの見分け方に加えて意識していただきたいポイントは「南北感」です。

リースリングが出題されるとすれば、おそらくアルザスかドイツがほとんどになると思います。

この2つの産地はどちらもワイン生産地域の中でも特に北側に位置する冷涼産地です。

とするとニュージーランドのソーヴィニヨン・ブランのような溌剌とした明るい印象のワインとはイメージがかけ離れます。

美しい酸を持ち、少し硬さを感じるようなミネラル感やペトロール香がないかがリースリングを見分けるポイントになります。

 

まとめ

今回は白ワインの品種の見分け方をお伝えしました。

最後に品種が分からない場合についてお話しさせていただきます。

 

試験本番は極度の緊張状態にありますから、香りや味わいの感じ方も普段と異なり、うまく品種が見分けられないことも考えられるでしょう。

 

そういう時はどの品種でも答えになるような回答を記入することをおすすめします。

どれだけ迷っている場合でもアロマティック品種かニュートラル品種かはなんとか見分けられるかと思います。

あとはそのアロマティック品種であればどのアロマティック品種でも当てはまるようなコメントを回答するのです。

 

例えばアロマティック品種で酸味もしっかりしているタイプというのは分かっていれば、答えはリースリングかソーヴィニヨン・ブランに絞れると思うのですが、ここで草のような香りやペトロールといった品種ごとの特徴香はマークせず、柑橘類や貝殻、石灰というようなどちらの品種でも正解になるようなコメントをマークしてください。

 

それでも分からない、ニュートラル品種かアロマティック品種かも分からないという場合(無い事を祈りますが、、)は、少しでも可能性の高いフランスのシャルドネをマークしましょう。

【ソムリエ試験の勉強方法】一発合格を狙う具体的な戦略

日本ソムリエ協会が主催するソムリエ資格は、飲食店やワインショップ、インポーターなどの、主にワインに関連するサービスやアドバイス、実務家のための資格です。

この資格は試験が年に1回あり、1次試験から3次試験までのすべての試験にパスすることで初めてソムリエの呼称資格を名乗ることができます。

 

僕は前場亮といいます。

WBSというオンラインのワインスクールを運営していて、自身のユーチューブチャンネル「ワインブックス」はチャンネル登録者で言えばワインジャンル最大規模になっています。

そのため情報発信者として発信する情報も多いですが、同時に入ってくる情報も格段に広く深く、また最新性が伴っています。

 

ここでは、あなたがソムリエ試験を志すにあたって、努力が報われ、最低限方向性を間違えないように、できる限り丁寧に解説をします。

まずはざっくりとこの記事をお読みいただき、ソムリエ試験の全体像を理解して、そのうえで各論を知るようにしましょう。

 

ぼくはWBSというオンラインのワインスクールを運営していますので、当然WBSで学習をするのが合格の最短ルートだと思っています。

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ソムリエ試験練習問題【オーストリア】プレディカーツヴァインのカテゴリ

こんにちは!今回はオーストリアのプレディカーツヴァインについて学習しましょう!

 

練習問題 オーストリアのプレディカーツヴァインのカテゴリ

Q:次のプレディカーツヴァインのカテゴリのうち、ベーレンアウスレーゼに該当するものを選んでください。

①完全に熟したブドウから造られ、最低糖度は19°KMW

②過熟または貴腐ブドウから造られ、他最低糖度は25°KMW

③収穫時に凍結したブドウから造られ、最低糖度は25°KMW

④完熟して糖度の高いブドウをワラや葦の上で、3か月以上乾燥させたものを発酵して造られる。最低糖度は25°KMW

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ソムリエ試験・ワインエキスパート試験の「正しい追い込み」とは?

こんにちは。ワインブックスの前場です。

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験は毎年7月後半から8月末までが1次試験になっています。

 

一次試験はCBT方式の筆記試験で四肢択一の60問120分の問題形式で、おおむね毎年1次試験で全体の半分が振り落とされることになります。

試験全体の合格率はボラティリティがありますがおおむね40%前後の合格率です。

そこから考えるとどうしても最大のヤマは一次の筆記試験ということになります。

 

WBSの場合はほとんど方が1~3月に入校されて、通常講義を受けながらスケジューリングをこなして6月に講義は終了し、その流れで1次試験に臨みます。

WBSはスケジューリングについてはかなり手堅く考えていますので、一般講義に合わせて学習された方はほとんどスケジューリングについては調整に成功されています。

 

そのなかで、どうしてもスケジュールの中に入れて考えておくべきなのが「追い込み」になります。

どのような資格試験、進学受験であっても追い込みはあるはずです。おそらくあなたも一度は経験したことがあるでしょう。

 

例えば試験直前の1か月は普段の勉強時間の倍を費やすとか、2週間前から一日6時間勉強するとか、こういうのが一般的な感覚の「追い込み」でしょう。

ソムリエ試験、ワインエキスパート試験も資格試験ですから当然「追い込み」はあります。

ただし追い込みと言っても「正しい追い込み」と「間違った追い込み」がありますので、ここで解説をします。

 

最初にお断りになりますが学習の仕方は人それぞれですので、当然追い込みの形も人それぞれになります。

しかし、一般論とされている追い込みの形にはやはり正解があって、それに加えて受験指導をしている僕の知見を盛り込んだ追い込みの紹介になります。

WBS生の方であれば納得できるところが多いかもしれませんが、オープンコンテンツなので違和感をお感じの方もいるかもしれません。

この場合はあらかじめご了承いただいたうえで読み進めることをお勧めします。

 

WBSのソムリエ試験・ワインエキスパート試験対策講座はこちら→

 

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日本ソムリエ協会教本【2023】変更点まとめ

こんにちは!今回は先日出版されました2023年版のソムリエ協会の教本の大きな変更点をお伝えしたいと思います

2022年以前の教本で学習されていた方は是非参考にしていただければ幸いです。

今年度から初受験で2023年の教本を購入される方も新たに追加された点は出題されやすいので、目を通していただければと思います。

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