ワイン用語集フランスワインシャンパーニュ地方

シャンパーニュ地方のワイン|基礎知識と全体像を知ろう

シャンパーニュは、フランスのワイン生産地の中で最北の生産地域となり、いわゆる”シャンパン”を生産する地域として有名です。

このサイトのユーザー様には釈迦に説法ですが、シャンパンは、ブドウの収穫から生産まで全てシャンパーニュ地域で行われ、製造方法も全て決められた製法で造られたもののみが認められます。

代表的なシャンパーニュワインは、ブランドブラン(BLANC DE BLANC)、ブランドノワール(BLANC DE NOIR)やロゼ・シャンパンなどが挙げられます。

シャンパーニュは、シャンパン製法という特殊な製法によって作られますので、職人の熟練の技による部分が大きくなります。

そのため生産地域の局地的な気象条件(ミクロクリマ)も大きく影響しますが、それ以上にシャンパンメーカーによる差が大きくなる所もポイントです。

 

地図を見てわかる通り、シャンパーニュ地方はワインの生産地域としては北限ぎりぎりの冷涼なエリアに存在します。
 
にもかかわらず早くからワイン生産地として知られていましたが、これはなぜでしょうか?
 
もちろんこれには土壌がブドウ栽培に向いていたりすることもありますが、根本的には生産者たちの熱意がなければ成り立ちません。
 
ブドウが育ちにくい環境であっても、それを克服してまでワインづくりをしようという人たちがいたから現在のシャンパ―ニュがあるのだと思えば、味わいもまた格別のものとなるでしょう。

 

 

シャンパーニュ地方のメゾン一覧はこちらをご覧ください→

 

シャンパーニュ地方のスパークリングワイン=シャンパン

生産地域

シャンパーニュ地方は、フランスのパリから近い場所に位置し、シャンパーニュ地方の中でも主な産地はヴァレ・ド・ラ・マルヌ、モンターニュ・ド・ランス、コート・デ・プランの3つとなります。

生産量はモンターニュドランスが多く、冷涼なシャンパーニュ地方にあっては日照量も豊富でワインに厚みが生まれます。

一方、コートデブランはシャルドネの栽培が圧倒的で、繊細で優雅なシャンパーニュが造られています。

 

ヴァレ・ド・ラ・マルヌ

マルヌ川の下流域となり、シャンパーニュ地方の特徴である石灰質な土壌は中央部から西部に掛けて広がります。

粘土質な土壌でもあり、霧の影響も受けるため、丈夫なブドウ品種であるピノ・ムニエの栽培が中心です。

 

モンターニュ・ド・ランス

「ランスの山」と呼ばれるように丘陵の地となり、低い標高の山となります。

北側の斜面は酸が強く繊細で、南側は日照りが十分なのでフルボディのワインとなるブドウが作られます。

 

コート・デ・ブラン

エペルネから南にのびる丘陵の斜面で、高級シャンパンが生産されています。

シャンパーニュ地方の特徴である石灰質な土壌が広がり、ミネラルが上質なシャルドネの生産が盛んです。

“シャンパン”という呼び名はもちろんシャンパーニュ地方から来ているのですが、本家シャンパーニュの生産者からすればきちんとした呼び名で呼んでほしいと思うのは当然でしょう。
 
実際にシャンパーニュ地方農業者組合は日本政府に呼び名をシャンパーニュで統一してほしいとの陳情を出しています。
 
しかし、日本ではシャンパンという呼び名が100年前から使われていますし、浸透しているのでこれをいまさら修正するのは並大抵ではありません。
 
もっとも、これには反論もあって、じゃあフランスはイギリスのことをアングレ、アメリカをエタズュニ、ドイツをアルマーニュと呼んでいます。
 
日本に至ってはジャポン呼ばわりなので、じゃあフランス政府はきちんと二ホンと呼んでくれとよいうことになり、要するにどっちもどっちなのです。

 

ブドウ品種

シャンパンとして使用されるブドウはAOCによって品種が7つに決められています。

ピノノワール

ピノ・ムニエ

シャルドネ

ピノ・グリ

ピノ・ブラン

プティ・メリエ

アルバンヌ

 

これらがAOC上みとめられた7品種になりますが、主に生産されているのは上の3種で、その他はほんのわずかです。

 

ソムリエ教本でも3品種のみの記載ですので、以下の3品種以外は無視していいレベルといえます。

 

ピノノワール


モンターニュ・ド・ランスとコート・ド・セザンヌで主に生産され、シャンパーニュ地方の39%もの栽培面積を占めます。

白赤どちらのワインにも向いており、ロゼ用の黒ブドウとしても使用されます。

(ピノノワールの果皮には黒色色素のアントシアンが含まれていますが、マセラシオンの時間を短くするか、プレスラージュディレクトで色素のほとんどないフリーランジュースを得ます。)

 

 

ピノ・ムニエ

ヴァレ・ド・ラ・マルヌで主に栽培され、フルーティーで優しい味わいを与えられるブドウです。

ムニエとはフランス語で、調理法であるムニエルと同じ語源です。

白身魚のムニエルのように果皮に粉を振ったような成熟をします。

 

シャルドネ


コート・デ・プランで主に生産され、ワインに品と爽やかさを与えます。

シャルドネのみで作られたシャンパンが、ブラン・ド・ブランとなります。

ブランドブランは高級シャンパンに多く用いられ、プレスティージュ商品にブランドブランを使うシャンパンメーカーは多くあります。

 

ワインの特徴

世界的なブランドとして確立されているシャンパンは、繊細かつ品のある味わいで、きめ細やかな泡を楽しむことが出来ます。

発泡ワインですが、炭酸ガスを外部から注入せずに、瓶内二次発酵を行っているため熟成させながら細やかな泡と深い味わいが作られています。

 

シャンパ―ニュは世界的に人気で、価格は普通のワインに比べて高いので、商業的ライバルが出現しやすいように思われます。

しかし、熟練した手作業の品質は唯一無二で、シャンパン方式を模倣しようとする各国のワイン生産者も品質では遠く及ばないのです。

もちろん、シャンパーニュと同様の製法をしたワインも世界各地でありますが、例えばスペインのカヴァなどは製法は同じでも出来上がりの品質はやはり一口飲んで歴然とした差があります。

 

巨大企業の謎

日本で知られているシャンパーニュは、ほとんどがフランス国内でも指折りの優良会社のワインです。

モエエシャンドン

ポメリー

ヴーヴクリコ

等のおなじみのメゾンは、日本で言えば一部上場企業のなかでも優良な企業のイメージでしょう。

これだけではなく、シャンパーニュ地方のワイナリーはほとんどが巨大企業が経営していて、大量のワインを大量に販売しています。

もっとも、これにはいくつかの経済的事情があって、シャンパーニュ地方はぶどう栽培の北限なので、もし天候不順などで不作の年があった場合の事を考えてリザーブワインを用意していることがその一番の原因です。

リザーブワインをストックすることで不作の年にもワインの品質を一定化させることができるため、世界から押し寄せる需要に安定してこたえることができるのです。

 

こうなると大量のストックを抱え、その結果すぐにワインを現金化できないため、巨額の内部留保が会社経営上必要になってきます。

そのため世界に輸出されるシャンパーニュのほとんどは、どこかで見かけたことのあるブランド数社に絞られるのです。

 

 

 

ところが、です。

 

二極化の潮流

シャンパーニュ地方のワイン造りにおいては、この30年ほどで大きな流れがありました。

それはこれまでのメゾンと呼ばれる大規模生産者と小さなRMと呼ばれる農家元詰めのワイナリーの二極化です。

前述のとおり、シャンパ―ニュ地方独特の製法は多額の資金投下が必要なため、ブドウ栽培者は近年までワインを造ることができませんでした。

そのためブドウを大手業者に販売して、そこから先の醸造熟成、瓶詰め、販売に対してすべての権利を引き渡していたのです。

シャンパーニュ地方は10社程度の大手メーカーが君臨していて、これが極端な寡占状態で、そうなると栽培者にとってもユーザーにとっても決していい形とは言えません。

ところが新興投資家の台頭によって農家が自社で醸造・熟成・瓶詰め・販売までを行うところが出てくるのです(これをRMレコルタンマニピュランといいます)。

 

これはマーケットの流れとして仕方がない部分もありますが、農家が自社で最後まで管理しているとなるとRMのほうがなんとなくいいような気がして、そのためRMは軒並み高値で取引されています。
 
そうなるとRMのほうが儲かるんじゃないかということで、大手メーカーの主要メンバーがRMに乗り換えるケースまで出てきたのです。
 
RMは特徴的で個性が出しやすいのでメディアも取り上げやすく、なかには品質も大手メーカーを凌ぐものもあります。
 
とはいえ大手メーカーは「こう造ったらマーケットは喜ぶだろう」というドンピシャの品質を長年提供しているのですから安心して飲めます。
 
これは好みの問題で、ユーザーが適切に判断できればそれが最高でしょう。

 

 

合わせる料理

シャンパーニュは、ほとんどすべての料理とのマリアージュが検討されていて、軽い料理から重い料理まで幅広く楽しむことができます。

ソムリエコンクールでは、コースを一本のワインで通すときは、シャンパーニュが定番のアイテムです。

通常はアペリティフとして楽しまれますが、酒質は強く、余韻が長いため重めの料理にも風味が負けません。

さらに、液中に溶けた炭酸ガスが口中をさっぱりさせますので、お肉料理にも合わせやすいのです。

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