ワイン用語集フランスワイン南西地方

ジュランソン ワインとは?特徴とブドウ品種、合わせる料理

ジュランソンフランス南西部、スペイン国境との近くのいわゆる南西地方のワインです。

南部のワインらしく気候は大変に穏やかでブドウ以外の果物の栽培も盛んです。

下の地図を見てもお分かりのとおりジュランソンは内陸部で、とはいえブルゴーニュのように冷涼ではなく、温暖でありながらやや昼夜の寒暖差があるところに特徴があります。

丘陵の日当たりのよい斜面に分散する形でブドウ畑は広がっていて、大西洋とピレネー山脈の二重の気象条件を受けています。

 

ジュランソンの面白いところは同じAOCに辛口と甘口があるところですが、特に甘口が大変に上質なのです。

日本に入っているジュランソンのほとんどは甘口で、例えばレストランなどでソーテルヌのように食後にデザートワインとしとおすすめすると大変に喜ばれます。

日本では食後に甘口ワインまで楽しむという文化が少なく、レストランなどでも冷蔵庫の奥のほうに埋まっていて棚卸の時しか見ないというソムリエさんは多いかもしれません。

しかし上質のジュランソンは華やかな香りとねっとりした甘味が大変に心地よく、食前にも食後にも喜ばれるお酒として押さえておいて損はありません。

ジュランソンのある南西地方のワインは、ボルドーの陰に隠れて長いこと日の目を見ることがない地域でした。
 
今ほどコンプライアンスの意識がなくなあなあだったときは、ボルドーができの悪い年には色や酒質を強化するいわゆる強壮剤としての役割を担っていてたのです。
 
そしてボルドーができのいい年はボルドーワインが売り切れた後に市場に出回るのが南西地方の役割で、要するに損な役回りだったのです。
 
これには歴史的な背景もありますが流通面の問題が影響していて、鉄道の開通が遅れたことが一番の理由でしょう。
 
その後、鉄道の開通とともに南西部のワインは市場を獲得していきますが、後発組なのでどうしても弱気な価格設定になってしまい、これが現在までのコストパフォーマンスの良さにつながるのです。

 

ジュランソン ワイン

甘口と辛口のAOC

前述のようにジュランソンには甘口と辛口の二つのカテゴリーがあります。

ジュランソンの記載のままだと甘口を指します。

そして辛口のほうを特にジュランソン・セック(JURANCON SEC)と呼んでいるところから甘口が主体で辛口は従物であることがわかります。

実際にAOCに認定されたのも甘口は1936年、辛口は1975年になります。

フィロキセラ以前は赤ワイン用ブドウ品種が植えられていましたが、フィロキセラによって白ワイン用ブドウ品種に植え替えられました。

ブドウの仕立て方もエスパリエといって古い垣根仕立てなのですが、これはフランスのほかの地区でもほとんど見かけません。

 

ブドウ品種

  • 50%

    PETIT et GROS MANSENG

ブドウ品種も変わっていて、甘口、辛口共にマンサン(MASENG)という品種を使います(最低50%)。

マンサンは現在ではほとんど使われていない品種で、19世末に,なぜ赤ワイン用ブドウ品種がフィロキセラで壊滅させられたなぜあえてこの品種を選んだのかは面白いところです。

 

マンサンはさらにプティマンサンとグロマンサンに分岐しますが、これは亜種で読んでお察しのとおりプティは小粒でグロは大粒の違いによるものです。

主にプティマンサンは後述する甘口ワインに仕上げられ、グロマンサンは辛口に用いられます。

マンサンを主体にして補助品種としてクルビュという品種を使いますが、これはほとんど知られていない品種でジュランソン以外では重要度は高くありません。

 

ワインの特徴

ジュランソンは甘口こそがそのワインの真骨頂といえます。

ソーテルヌなどの貴腐ワインではなく、ヴァンダンジュタルティヴといって、遅摘みによる製法で糖度をあげます。

これは、果房が樹についたまま乾燥状態になるまでおく極端な手法で、時には初雪のころまで待つことになります。

単純に収穫を待つだけでもそれだけでタイムリスクがあり、病害虫や冷害などの危険が予測され、さらに収穫時に大雨が降ればブドウ樹は水を一気に吸い込むことで果皮が破裂することもあります。

ただしそれらのリスクを背負ってでも出来上がったワインは上質で、ハシバミやドライフルーツ、はちみつなどのエキゾチックな香りのワインとなるのです。

糖分が高いため熟成に向き、20~30年もの間に品質が向上するものも珍しくありません。

 

辛口のジュランソンはグロマンサンを使い、フルーティーで飲みやすいワインに仕上がります。

こちらのほうはだいたい2~3年のうちに消費したほうがよく、そのためほとんどが地元の酒屋かレストランで消費されます。

 

飲み方のコツ

甘口のジュランソンは、品質が高く、香りや口当たりも楽しめるワインです。

そのため飲むときの温度は白ワインとしてはやや高めの10度程度がベストです。

10度はご家庭ではなかなか設定が難しいかもしれませんが、冷蔵庫で一晩冷やしたのちに室温で30分ほどおくことで近い温度にできます。

小ぶりなチューリップグラスに注ぎ、少しずつ口に含みましょう。上の画像のようにISOグラスでもいいです。

ワインクーラーがあれば下部に氷だけ入れてその上にボトルを置いておけば温度を保つことができます。

 

甘味が強いのでご家庭でボトル一本を開けることは考えづらいものです。
 
しかしこれはやや裏技ですが、一般のスティルワインよりも抜栓後も長持ちしますので冷蔵庫にしまっておいて少しずつお飲みになるのもいいかもしれません。
 
確かに甘口ワインとは言え抜栓後は少しずつ品質が変化するものですが、ここはおおらかに考えて、2週間くらいで飲み干せばいいやくらいの気楽さで行きましょう。
 
一日の終わりに一杯のジュランソンで体を潤してみてはいかがでしょうか。

 

合わせる料理

ジュランソンの甘口は、ソーテルヌのような貴腐ワインではありませんが、ブドウが樹についたまま糖度を上昇させる間に複雑さが増します。

ただ甘いだけではなく、それを支える丸くふくよかな酸味があり、ワインの仕上がりをきわめて上質なものにしています。

そのため塩分の強いチーズ、例えばロックフォールやゴルゴンゾーラなどのチーズには抜群の相性でしょう。

また、フォワグラのテリーヌとの相性は伝統的に楽しまれていて、濃厚なフォワグラの味わいとジュランソンの甘味は格別のマリアージュです。

 

デザートであればイチジクをカラメルで煮込んだタルトやコンポー ト等もいいですね。

ジュランソンは上質な品質にもかかわらず、南西地方独特の値段が抑えられる傾向を受け、価格は控えめです。

長い期間の熟成にも耐えるため誕生日などのプレゼントにも最適です。

日本ではあまり流通していませんが、これを機に覚えていただき、見かけた際にはぜひお試しください。


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